旅行の国際収支、2013年は半減で5458億円赤字、航空輸送も赤字幅縮小に

財務省が発表した2013年度中の国際収支状況(速報)で、旅行は受取(インバウンド)が1兆5828億円に対し、支払(アウトバウンド)が2兆2187億円で、5458億円の赤字となった。ただし、この数値は前年度の1兆69億円の赤字(受取1兆1934億円、支払2兆2003億円)からはほぼ半減。また、航空輸送の旅客は受取が1857億円、支払が1兆86億円で赤字額は8230億円。前年度よりは565億円改善した。

これら旅行と航空輸送の旅客の赤字幅が縮小したのは、2013年度に訪日旅行者数が前年比26.1%増の1098万人に大幅に増加したのに対し、日本人出国者数が5.5%減の1728万人と減少したことによるものだ。

財務省:国際収支状況(速報)より

日本銀行国際局の「国際収支統計(IMF国際収支マニュアル第5版ベース)」解説によると、この統計で旅行収支に含まれるのは、以下の5点。航空運賃は運輸サービスとして輸送収支に入る。

  1. 宿泊費、食事代、娯楽費、現地交通費
  2. 土産品
  3. 出張費
  4. 海外での留学費、医療費
  5. ツアー代金、等

輸送収支の旅客サービスについては、居住者が運航する船舶や航空機等の輸送手段が非居住者を国際輸送する場合を「受取」、非居住者が運航する輸送手段が居住者を国際輸送する場合を「支払」とし、その輸送手段の運賃や機内販売などすべての取引を計上している。

なお、全項目を含む全体の国際収支(経常収支)は81.3%減の7899億円となり、黒字幅が縮小。このうち貿易サービス収支は14兆4422億円の赤字で、赤字額が5兆円超増加したが、旅行や航空輸送が含まれるサービス収支に限ると、赤字額は3兆5779億円に縮小(6085億円改善)しており、財務省は旅行、輸送の赤字幅改善の影響が大きかったとしている。


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