日本人の海外トラブル、トップは「犯罪被害」で全体の3割 ー外務省・海外邦人援護統計2013

外務省領事局海外邦人安全課は、このほど2013年の「海外邦人援護統計」を発表した。この統計は、日本の在外公館が援護した在留邦人、短期滞在の日本人の数をまとめたもの。それによると2013年の海外における事件・事故の総援護件数は1万7796件で前年比2.32%減。総援護対象者数は1万9746人で同3.10%減だった。

総擁護件数のうち、トップの要件は「犯罪被害」の5353件で全体の3割を占めた。そのうち、最も多いのは「窃盗被害」(4400件、4660人)、ついで「詐欺被害」(397件、433人)、「強盗被害」(294件、317人)の順となった。「犯罪加害」は329件(371人)で前年の361件(396人)を下回った。主なものは,「出入国・査証関係犯罪」(96件、105人),「道路交通法違反」(46件、46人)、「傷害・暴行」(35件、39人)、「麻薬犯罪」は33件(39人)となった。「事故・災害」は255件(332人)で前年の242件(455人)から減少。そのうち5割以上が「交通機関事故」(143件)で、交通事故が129件、船舶事故5件、航空事故3件、列車事故1件が含まれる。「レジャー・スポーツ事故」は69件で、そのうちスポーツ事故は11件、登山事故は16件、水難事故は33件となっている。

「死亡者数」は601人で過去10年間で3番目に多かった一方、「負傷者数」は420人で過去10年間で最も少なかった。死亡者のうち疾病などが422人。

地域別では,アジア地域が6466件(6794人)と前年に引き続きトップ。次いで北米地域が4976件(5545人)、欧州地域が4363件(4657人)、中南米地域が974件(1634人)、大洋州地域が466件(494人)、アフリカ地域が321件(376人)、中東地域が230件(246人)。前年と比較すると中南米地域が大きく増加。他の地域は減少した。在外公館別では、前年2位だった在タイ大使館が最も多く、前年トップだった在上海総領事館は2位。次いで在フランス大使館、在フィリピン大使館、在英国大使館となった。

なお、この数値は在外公館が把握している邦人援護事案のみを集計。すべての事件や事故等を網羅したものではなく、同一の事案に複数の在外公館が対応した場合も含まれているため延べ数。

(トラベルボイス編集部)

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