グーグル(Google)は、このほど2014年の海外からの日本の旅行関連での検索トレンドを発表した。今年発表されたトレンドは、インバウンドに焦点をあわせた内容。外国人が日本の観光・食・工芸品などを英語で検索したキーワード(検索クエリ)の傾向やランキングが発表された。同社・旅行業界 営業統括部長の陳内裕樹氏が「日本の観光を考えるときに検索のデータを紐解くことで(外国人が日本に寄せる関心の)傾向がわかる」として内容を解説した。
*ランキングは下段で紹介。右写真は地域別・カテゴリ別の検索傾向(クリックで拡大)
昨年の結果>>>
海外からの日本の検索傾向については、「衣」・「食」・「住」・「コンテンツ(マンガなど)」・「観光(観光施設など)」の5つのキーワードで分類。トップは昨年に続き「食」関連、続いて「衣」、「観光」の順番となっている(右画像)。今年の傾向として、対前年の伸び率でトップだったのは「衣」で特に欧州の伸びが大きかった。
地域別には、「食」の検索が多いのは北米・欧州・南米、「コンテンツ」は南米、「衣」が欧州と、昨年同様のエリア毎に特徴が明らかになった。陣内氏は、「こうした地域毎の違いに注目してほしい」として、外国人への訪日プロモーションで地域毎の施策をとる必要性があることを指摘した。
▼都市名の検索で「東京+〇〇」が急上昇
ランキング上位に街単位のキーワードも
地域名による検索ランキングでは上位を東京、京都、沖縄など主要都市がしめた(10位までのランキングは以下)。陣内氏は「銀座」や「札幌」という街単位のキーワードがトップ10のなかにランクインしていることから「細分化が始まっているかもしれない」とみている。
また、首位となった「東京」で、ひとつの傾向が見え始めている。これは、「Tokyo」という単独キーワードだけでなく「Tokyo+○○」という複数キーワードによる検索が増えている点。前者は前年比で28.2%増となっており、後者は13.6%増だという。実際に複数キーワードで検索されている内容を見ると、天気、観光施設名などが多いものの、宿泊先探しとして外資系ホテルが検索されている場合もある。宿泊先名称で絞ってみると、上位20位中13件が外資系ホテルのブランド名が入っており、陳内氏は「(キーワードとして発想される)ブランディングの必要性を指摘した。
【都市名別ランキング】 ( )は前年比伸び率
- Tokyo 28.1%
- Osaka 29.3%
- Kyoto 14.5%
- Hiroshima 8.4%
- Okinawa 18.9%
- Hokkaido 15.8%
- Ginza8.6%
- Nagoya 23.7%
- Sapporo 10.5%
- Mt Fuji 21.7%
今回紹介されたランキングは以下のとおり。
【日本の観光地・イベントランキング】 ( )内は昨年順位
昨年同様、富士山がトップ。ユニバーサルスタジオ、大阪城など関西のキーワードがランキングをあげているのがわかる。
- Mt.Fuji (1)
- Hakone (6)
- Tokyo Disneyland(3)
- Imperial House(-)
- Tokyo Tower(5)
- Tokyo Sky Tree(6)
- SUMMER SONIC
- Universal Studios Japan(7)
- Tokyo Dome(11)
- Shinsekai(17)
- Gion(13)
- Osaka Castle(12)
- Ghibli Museum(9)
- Himeji Castle(8)
- Tokyo station(-)
- Arita(16)
- National Theater(-)
- Shirakawa-go(-)
- Senso-ji(-)
- Yasukuni-shrine(-)
(伸び率ランキング)
- Kinkaku ji 154%
- Shiodome 128%
- Edo Castle 119%
- Mount Aso 110%
- Yasukuni Shrine 108%
- Meiji Shrine 108%
- Senso ji 106%
- Shinjiku Gyoen 106%
- Hiroshima Peace Memorial Museum 94%
- Osaka Catsle 93%
【伝統工芸品のキーワードランキング】
「Kimono」が首位で伸び率も68.5%でトップとなった。複数キーワードで検索されることが多いのも特徴だという。2位の「bento」は、欧米で続く弁当箱ブームも関係するのかもしれない。
- Kimono 68.5%
- bento ‐1.2%
- geta 15.6%
- tatami 28.2%
- daruma 11.6%
- hashi/chopstick 7.5%
- chidori 11%
- kushi ‐1.4%
- kotobuki 10.9%
- shibori 34.4%
【食のキーワードランキング】 ( )内は昨年の順位
和食の世界遺産登録や2015年のミラノ万博の影響もあり「食」カテゴリの注目はトップだが、ランキング内容は昨年と大きな変動はなかった。「Sushi」は不動の1位、2位の「Edamame(枝豆)」となり定着してきている様相が見える。
- Sushi(1)
- Edamame(2)
- Sashimi(4)
- Ramen(3)
- Tempura(5)
- Yakisoba(6)
- Mochi((7)
- Shabushabu(9)
- Teriyaki(8)
- miso soup(10)
- onigiri(11)
- sukiyaki(12)
- okonomiyaki(14)
- oden(15)
- gyoza(16)
- dango(13)
- takoyaki(17)
- unagi(18)
- natto(19)
- udon(20)
(伸び率ランキング)
- kaiseki 95%
- onigiri 88%
- champon 75%
- kushikatsu 75%
- nigiri sushi 50%
- yakitori 47%
- kakigori 44%
- tonkatsu 42%
- kakuni 38%
- takoyaki 37%
(トラベルボイス編集部:山岡薫)