日中韓観光大臣会合が4月11日と12日に2011年以来4年ぶりに東京で開催された。会合には太田明宏国土交通大臣、中国の李金早(リ・キンソウ)国家旅游局長、韓国の金鍾徳(キム・ジョンドク)文化体育観光部長官が出席。日中韓三国間の観光交流拡大に向けて意見交換を行い、共同声明をまとめた。また、来年の第8回日中韓観光大臣会合は中国湖北省武漢市で実施することでも合意した。
共同声明では、日中韓三国間の人的交流規模を2014年の2047万人から2020年には3000万人にする目標が盛り込まれた。この実現に向けて、航空路線の充実、クルーズ船の就航促進などに努めるとともに、各国内のアクセス交通の円滑化、通信環境の整備、クレジットカードなど決済環境の整備など旅行者の利便性を向上させる。
また、交流拡大に向けては、「双方向の交流」「地域・地方の交流」「文化・スポーツ・青少年の交流」の3点を重視。実務者レベルで、以下の取り組みについて協議を進める。
◯姉妹都市、友好都市同士の交流にあわせた交流ツアー
◯文化・歴史交流にあわせた交流ツアーの実施と共同プロモーション
◯国際的スポーツ大会を契機とした観光交流と共同プロモーション
◯日中韓の教育旅行シンポジウムの開催
◯ITを活用した旅行者サービスの高度化
◯観光関係の教育・研究期間との協力関係強化
◯観光人材の育成
◯市場動向や観光統計などの情報共有
◯日中韓三国協力事務局との協力関係強化
さらに、日中韓三国を旅の共通目的地として「ビジット・イースト・アジア・キャンペーン」を連携して実施する。共同プロモーションのターゲット層や内容などについて検討するほか、共同ポスターや共同パンフレットなども作成する。また、三国の旅行会社と連携し、モデルコースの共同開発や商品化を進める。
このほか、観光交流の質と満足度の向上を目指し、三国観光当局の連携を強化。各国の生活習慣などの違いによるトラブルやショッピング関するトラブル、安全の確保、観光交流の危機時における相互協力などの課題解決に向けた取り組みを連携して進める。