高級ホテル連合「プリファードホテルズ」がブランド統合、重視するのは「体験」

独立系の高級ホテルが加盟するプリファードホテルズ&リゾーツは、2015年3月に複数のブランドから構成してきたホテルブランドをひとつ統合し、新たなブランドとして展開を開始した。これは、同社の85か国650軒の加盟ホテル数を100か国1000ホテルに拡大する目標に向けた取組み。このほど、代表取締役兼経営最高責任者リンジー・ユベロス氏が来日し、その狙いを語った。

*写真はリンジー氏(左)と日本支社長の山口芳氏(右)

今回のリブランドでは、新ブランドを「プリファードホテルズ&リゾーツ」に統合し、さらに旅行者ごとの旅の目的別に5つのカテゴリーに分類した。「レジェンド」「LVX」「コネクト」「ライフスタイル」「プリファード・レジデンス」の5つのコレクションで、分類の基準はサービス・施設・受賞歴など。その理由をリンジー氏は、「ラグジュアリーの定義が進化しているから」と語り、“ラグジュアリー”が物質的なものから“上質な過ごし方”に変化しているトレンドを指摘した。

同氏はこうしたトレンドの背景に消費者の変化があることを説明。旅行者が旅に出る目的が「体験」に変化し、本物嗜好が強まっている。また、グローバル化・ソーシャルメディアの拡大で消費者発信の大量の情報が飛び交い、ホテル選びの「(情報の)主役が消費者になっている(リンジー氏)」。同氏は、今回のリブランドを「消費者の多様化に対応したもの」で「旅行者が宿泊して得られる『体験』をもとに5つのカテゴリを構成した」と自信を見せた。

こうした視点から、同社はサイト内でのホテル検索でホテル名やロケーションに加えて「体験内容」を追加。また、今後実施する広告展開では、ホテル客室から見える景色を広告素材として採用したり、ソーシャルメディアで宿泊者の体験を発信してもらうキャンペーンを展開する。消費者目線にたったマーケティング活動を重要視する方針だ。

なお、今回のリブランドで同社のGDSコードは加盟施設共通のPHに統一された。検索はマスターチェーンコードのPVからすべての加盟施設が可能だ。

(トラベルボイス編集部:山岡薫)

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