2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、日本航空(JL)と全日空(NH)とのスポンサーシップ契約を締結した。今回の契約は「東京2020オフィシャルパートナー」で、カテゴリーは「旅客航空輸送サービス」。東京オリンピックにおけるスポンサーシップは1業種1社を原則としているものの、このカテゴリーではIOCとの協議で特例として2社共存が実現した。2社共存は銀行カテゴリー(みずほ銀行と三井住友銀行)に続くもの。
今回のスポンサーシップ発表の記者会見で、公益社団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長の森喜朗氏は、ANAとJALがともにしていることを「あまりないこと。これがオリンピックの良さだろう。」とコメント。「(スポンサーシップが)2社共有であることがオールジャパンの機運の象徴的なものだ」と大会を成功に導く道筋であることを強調した。
また、森氏は「海外のお客様を迎えるのも大事だが、選手の移送を重要視してほしい。」と求める役割を明確に。また、2社契約であることから選手輸送や聖火の運び方など、いろいろと決めることが多いことを示唆した。そのうえで、2社でのスポンサーが実現したことについて、この決断をした2社に対して感謝の気持ちを表した。
今後、両社はオリンピック関連の呼称やマークなどを使用し、ムーブメントの盛り上げや日本代表選手団の支援、大会成功に貢献する活動を行う。また、ANAでは6月15日付で代表取締役副社長執行役員の内薗幸一氏を東京オリンピック・パラリンピック推進担当役員に任命した。
以下は会場の様子と登壇者のコメント抜粋だ。
ANA代表取締役社長の篠辺修氏
JALとともにできること、独自で強みをもってできることを分かち合って、よい仕事をしたい
JAL代表取締役社長の植木義晴氏
これまでの経験で苦労も失敗もある。この経験が力となる。オールジャパンの象徴として、力をあわせておもてなしのあるサービスを提供するために力をあわせていきたい。
日本オリンピック委員会(JOC)会長 青木剛氏
2020年代表選手が実力を発揮できるよう、パートナーとともにオールジャパンでの協力を
日本パラリンピック委員会 鳥原光憲氏
若年層のパラリンピックへの理解へ向けて、日本を代表するエアライン2社がそろったことは力強い。2社がソフト・ハードともに障害者支援の旅客サービスを評価している。
なお、東京2020スポンサーシッププログラムは4つの階層で構成。最上位がIOCオリンピックパートナープログラムで、パナソニックやマクドナルド、コカ・コーラなどのグローバル企業が名を連ねる。今回締結された「東京2020オフィシャルパートナー」とは、その下の3つの階層からなる国内向けスポンサープログラム(そのほかにゴールドパートナーとオフィシャルサポーターがある)。契約スポンサーは6年間にわたる日本選手団に関するパートナーともなり、呼称やマークの使用などの権利を行使できることになる。
(トラベルボイス編集部:山岡薫)