沖縄振興開発金融公庫はこのほど、沖縄県内主要ホテル73軒を対象にした2014年度の稼働状況を発表した。主要ホテルをシティホテル、リゾートホテル、宿泊特化型ホテルの3タイプに分けて分析したもの。
客室稼働率をみると、シティホテルは80.9%(前年比3.7%ポイント増)、リゾートホテルは79.1%(同3.0%ポイント増)、宿泊特化型ホテルは80.1%(同5.7%ポイント増)となり、いずれも前年度増を記録した。この要因には、円安基調が続くことによる外国人旅行者の増加や国内・海外航空路線の増加、クルーズ船の寄港回数増などを背景とした観光客数増があるとみられる。
また、客室単価はシティホテルで1万484円(前年度比3.7%増)、リゾートホテルで2万189円(同2.9%増)、宿泊特化型ホテルは6701円(同8.7%増)となり、稼働率と同様、すべてのタイプで前年度を上回った。
さらに、RevPAR(レブパー:販売可能な一室当たり平均室料=客室稼働率×客室単価)も全てのタイプで3年連続して前年度超えを記録。2014年のシティホテルは8481円(同8.8%増)、リゾートホテルは1万5966円(同7.0%増)、宿泊特化型ホテルは5366円(同17.0%増)となっている。
これらの結果、1ホテルあたりの平均売上高もそろって増加を記録。シティホテルは17億5100万円(同3.7%増)、リゾートホテルは26億5700万円(同4.6%増)、宿泊特化型ホテルは3億3700万円(同15.8%増)となり、特に宿泊特化型ホテルの大幅な伸びが目立つ結果となっている。
ホテルタイプ別にみた客室稼働率、客室単価の年次推移は以下のとおり。
なお、同社では2013年3月に開港した新石垣空港がもたらした八重山地域の主要ホテルの稼働状況の推移もあわせて発表している。
2012年度を「開港前年度」、2013年度「開港初年度」、2014年度を「開港翌年度」としてその推移をみたもので、稼働率はリゾートホテルでは開港前年度が67.0%だったのに対して開港初年度は79.3%(開港前年度比12.3%ポイント増)、翌年は77.8%(同10.8%ポイント増)と連続して8割程度の稼働率で推移。宿泊特化型ホテルでは、開港前年度の60.3%に対して開港初年度は72.8%(同12.5%ポイント増)、翌年は77.7%(同17.4%ポイント増)と、開港前と比較して伸びが拡大する様子がみられた。
また、客室単価にも伸びがみられた。リゾートホテルは開港初年度1万5545円(同9.9%増)、開港翌年度1万8447円(同30.4%増)。宿泊特化型ホテルは開港初年度6001円(同11.5%増)、開港翌年度6844円(同27.1%増)と、両タイプともそろって約3割増を達成した。
これらの相乗効果により、RevPARはリゾートホテルで開港初年度が1万2327円(同29.9%増)、開港翌年度1万4345円(同51.2%増)。宿泊特化型ホテルでも開港初年度が4371円(同34.6%増)、開港翌年度5320円(同63.8%増)と顕著な伸びを示した。
また、1ホテルあたりの平均売上高も上昇。リゾートホテルの平均売上高は14億8400万円(開港前年度比38.6%増)、宿泊特化型ホテルは2億1200万円(同59.4%増)となった。
新石垣空港がもたらした八重山地域の主要ホテルの稼働状況の推移は以下のとおり。