東京都が道路標識を整備、外国人旅行者を視野に観光・交通拠点で英文表記充実など

東京都はこのほど、都内にある道路標識の整備方針と施策内容を示す「東京みちしるべ2020」を公開した。東京都が2020年までの長期ビジョンで掲げた「年間1500万人の外国人旅行者が訪れる都市の実現」「外国人が不満や不安を感じることなく、円滑に目的地へ到達可能な都市」実現に向けた取り組みの一環だ。

「東京みちしるべ」策定にあたっては、行政機関や地方公共団体などと連携して設置した「多言語対応協議会」や日本政府観光局(JNTO)が中心となって、外国人に道路標識に関するアンケートを実施。その結果、標識が「読めない(英語表記がない)」「分からない」といった指摘が多数集まった。また、「絵文字(ピクトグラム)があったほうがよい」「路線番号があると移動の役に立つ」といった回答も大多数を占めたという。

こういった調査結果を背景に、東京都では「英語併記」「表示情報の充実(ピクトグラムと路線番号の追加)」「通称名表示の充実(道路の通称名の追加)」「見やすさと判読性の向上(文字サイズの拡大)」「施設案内の充実(歩行者を鉄道駅などの交通拠点から目的地まで適切に誘導するための著名地点標識の設置)」といった項目で整備内容を整理することにした。

重点整備エリアは以下のとおり。

1. オリンピック・パラリンピックエリア

競技関連施設を幹線道路で囲ったエリア(下図)。代々木・国立競技場周辺や皇居周辺をはじめ7地域が対象となる。

東京都:報道資料より

2. 観光庁戦略拠点エリア

観光庁が「訪日外国人旅行者の受入環境整備事業」で定めた全国の戦略拠点のうち、都内の4地点(押上・業平橋、秋葉原、銀座、蒲田)。


3. 主要観光地エリア

外国人観光客が多く訪れる都内地域や観光地施設を幹線道路で囲った18エリア(新宿・大久保、銀座・有楽町・日比谷、浅草 など18カ所)。日本政府観光局(JNTO)が実施した「訪日外客訪問地調査(全国)2010」で「都市・観光地別訪問率」のうち上位30位以内となった地域が対象だ。

東京都:報道資料より

4. 交通結節点エリア

羽田空港(東京国際空港)、晴海ふ頭(晴海客船ターミナル)のほか、主要ターミナル駅(東京駅、新宿駅、渋谷駅、品川駅、上野駅、池袋駅、立川駅、八王子駅)

この整備計画の対象となる道路標識は合計約1万枚(うち、新設約200枚)。2015年度内から開始し、オリンピックのテストイベントが開催される2019年度に完了する予定。

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