HISの情報誌会員、シニア層の海外旅行は平均5.2回、分類できる4つの旅行傾向

エイチ・アイ・エス(HIS)は、シニア向けの会員誌「旅通信」の読者・60歳以上の男女707名を対象に実施した「海外旅行に対する意識調査」の結果を発表した。

これによると、シニア層の海外旅行の平均回数は5.2回で、10回以上の海外旅行ベテラン層が18%と約2割に及ぶことが判明した。これを受けHISでは、海外旅行が成熟化し、シニア層にとって海外旅行は特別な機会ではなく、一般的な体験になっていると指摘する。

また、シニア層は旅行傾向ごとに次の4つのクラスターに分類できると指摘。このうち、(1)「マイペースに旅を追求する個人旅行好き層」に、10回以上の海外旅行経験のあるエキスパートが入る。今後の海外旅行の希望は「全て自分で手配する個人旅行」との回答が47.9%(全体:23.5%)、海外旅行の同伴者の希望は「一人旅(同伴なし)」が23.9%(同:11.2%)となっており、各クラスターにはこのように、全体と比較して顕著な回答が見られた。

こうしたことから、シニアを「シニア層」としてひとまとめで語るのは無謀とし、今後はそれぞれのクラスターごとに適切なアプローチをすることが必要だとしている。概要は下記のとおり。

このほか、過去の渡航先では、東南アジア、欧州、ハワイ・グアム・サイパンの順。これに対し、今後行ってみたい憧れの渡航先には、欧州やカナダ、オセアニアが上位に挙がった。

発表資料より

シニア層の最終的な購買手段では、依然として店舗や電話の予約が多数を占めていることを指摘。情報収集手段としてインターネットが多数活用されているものの、旅行を決める影響力という点では、新聞や旅行会社のパンフレットは有効な手段とする。また、シニア男性の旅行の障害として、荷物のパッキングに対する心理的ハードルが想像以上に高いことも挙げている。

調査は2015年1月~7月、インターネット調査およびグループインタビューで実施。マーケティング支援のコプロシステムが調査を担当した。


【シニアの4つの旅行傾向】

(1)マイペースに旅を追求する個人旅行好き層

  • 特徴:海外旅行10回以上のエキスパート。自分が楽しむことが一番大切で、現地の人がすることを体験する暮らすような滞在趣向が強い。
  • 今後したい海外旅行タイプ:すべて自分で手配する個人旅行49.7%(全体:23.5%)
  • 今後行きたい海外旅行の同伴者:一人旅(同伴なし)23.9%(全体:11.2%)
  • 価値傾向:現地ではなるべく自由、公共交通機関を使う、一か所をじっくり味わう
  • 今後の旅行先意向:東南アジア

(2)海外だからこそ!を求める「旅行はハレ」派

  • 特徴:新しい場所、コトを体験するのを求め、体験談を知人に話す瞬間が最も幸せを感じるインフルエンサータイプ。資金的にも比較的余裕がある。
  • 今後したい海外旅行タイプ:フリーパッケージツアー25.5%(全体:19.5%)
  • 提供してほしいサービス:風呂と別のトイレ、機内の快眠グッズ、現地移動のプライベート送迎
  • 価値傾向:旅行の思い出はモノで残したい、旅先では羽目を外したい。
  • 今後の旅行先意向:ハワイ、グアム、サイパン

(3)王道体験重視のビギナー層

  • 特徴:まだまだ海外旅行は特別な体験と捉えるタイプ。有名観光地へ数多く行きたいが、不安も相当高い。
  • 今後したい海外旅行タイプ:添乗員付きフルパッケージツアー55.2%(全体:34.7%)
  • 今後行きたい海外旅行の同伴者:配偶者72.9%(全体:63.8%)
  • 価値傾向:有名スポットに行っておきたい
  • 今後の旅行先意向:フランス、イタリアなどの王道ヨーロッパ

(4)旅は「日常を忘れてのんびり」主義

  • 特徴:日常の生活を離れ、リフレッシュすることが海外旅行の目的。日本では体験できないような非日常を求めるが、旅行自体のこだわりはそれほど強くない。
  • 過去1年間での海外旅行タイプ:すべて自分で手配する個人旅行33.0%(全体:28.4%)
  • 今後行きたい海外旅行の同伴者:友人・知人33.0%(全体:25.6%)
  • 価値傾向:ぜいたくな気分を味わいたい、旅の準備や現地で多少の不便や苦労はあってこそ、とは思わない
  • 今後の旅行先意向:北欧・カナダ

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