最新鋭の大型客船クアンタムが横浜に初入港、中国人旅行者を中心に4000人規模のクルーズ客

ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(RCI)の最新鋭客船「クァンタム・オブ・ザ・シーズ」が横浜・大黒ふ頭に初入港したのにあわせ、同社と日本総代理店のミキ・ツーリストは船内見学会を開催した。

クァンタム・オブ・ザ・シーズは、世界2番目となる16.7万トン・乗客定員4180名(1室2名)の大きさと、テクノロジーを駆使したスマートシップとして注目されているクルーズ客船。2014年11月のデビュー後、2015年6月から中国・上海を母港に定期クルーズを運航しており、その訪問地として日本にも寄港。現在、日本に寄港する最大の客船であり、中国人を中心に4000人規模の外国人旅行者を一度に送客できることから、地域への経済効果の面でも期待されている。

昨年、横浜寄港も予定されていたが、台風の影響で旅程変更となり、今回が初寄港となった。船長のスレッコ・バン氏は初入港セレモニーで「やっと(横浜に入港する)この日が来た」と喜びを示した。


RCI社は「2017年には80万人超の訪日客」を目標に

クァンタムの日本発着クルーズも視野

ミキ・ツーリストのクルーズ・カンパニー、カンパニー長・百武達也氏

ミキ・ツーリストのクルーズ・カンパニー、カンパニー長の百武達也氏は、今年はRCIが中国に過去最大の5客船を配船していることを説明。クァンタムクラス(16.7万トン)は今年就航の新造船を含む2隻、ボイジャークラス(13.7万トン)が2隻、レジェンドクラス(6.9万トン)の1隻で、アジア市場に注力していることを強調。先日来日したRCIのCEOであるアダム・ゴールドステイン氏が、「2017年には80万人超の訪日客の送客に協力したい」と述べたことも紹介した。

特に日本は、中国、台湾の次にポテンシャルのあるソースマーケットとして認識。日本と中国、台湾、韓国のRCIが協力することで、これまでゴールデンウィークに限定してボイジャークラスで実施していた日本発着クルーズを、中国発着の定期運航のなかで2つのクルーズの連続乗船の形で日本乗下船クルーズを設定することも、前広に考えられるようになったという。

今回の乗船客数は約4400名で、そのうち約3600名が中国からの旅行者。日本人も約65名が乗船しており、クァンタム・オブ・ザ・シーズで初めて、上海を3月6日と3月12日に出発するクルーズの連続乗船で、福岡、長崎乗船、広島、横浜、神戸下船での日本発着クルーズを実現した。6月15日と6月21日に上海を出航するクルーズでも、広島乗船、横浜、名古屋、大阪下船の日本発着クルーズを設定した。


船上でスカイダイビングを疑似体験できる設備も

一方、「日本人のアウトバウンドについても貢献できる」とアピール。今年は3隻目となる世界最大の客船ハーモニー・オブ・ザ・シーズが就航するほか、初の10万トン超のアラスカ就航となるエクスプローラー・オブ・ザ・シーズも話題を呼んでいるとし、「日本人がワクワクするようなクルーズで、アウトバウンドビジネスにも協力しなければならない立場だと思っている」と自信を示した。


横浜市、大黒ふ頭で大型客船受入れを整備へ

横浜入港セレモニー。中央左が横浜市副市長の鈴木伸哉氏、中央右がクァンタム・オブ・ザ・シーズ船長のスレッコ・バン氏

今回、クァンタム・オブ・ザ・シーズが入港したのは、貨物港の大黒ふ頭。横浜市ではベイブリッジ下を通過できない大型客船は、みなとみらい側の眺望の良い岸壁で受け入れている。これについて、入港セレモニーに出席した鈴木伸哉副市長は、大型客船の受入整備として、CIQの上屋の改修や市民の見学施設、駐車場の整備を行ない、2018年度中の供用開始を目指していることを明かした。


船内の様子の参考記事はこちら>>

次世代型クルーズ客船が日本初寄港、ロボットバーや腕時計型ナビなど6つの革新性を公開(2015年 6月 29日)

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ロイヤル・カリビアン、次世代型客船5隻目を発注、2020年まで新造船ラッシュに(2016年 1月 12日)

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