東京商工会議所は東京23区の中小企業を対象に実施した景況感調査(2016年4月~6月)の結果を発表した。
これによると、業況のDI値-10.3で前期比3.0ポイント減少。売上も-10.5で4.0ポイント減少した。業況を業種別で見ると、建設業、製造業以外は減少しており、特に卸売業は-15.1で9.6ポイント減少、小売業も-28.0で4.9ポイント減となっている。
企業のコメントを見ると、「消費意欲の減退により需要が伸び悩んでいる上、節約志向により小売業からの発注単価が下がっている」(卸売業・アパレル)や、「顧客である上場企業の業績に不透明感が見え始め、発注額の縮小が見込まれる」(サービス業・企画制作)など、BtoC、BtoBともに景況悪化を感じさせる内容が目立つ。
熊本地震の影響については、生産や物流などの直接的な影響はほとんど見られなかったものの、消費者マインドには一部の影響が出ているという声もあった。
また、「中国が、海外で購入した商品に課す関税を引き上げたため、訪日外国人の購入額が減少し、売上も減少した」(小売業・時計)、「訪日外国人の来店客数は増加しているものの、期待していたほど売り上げに繋がっていない」(小売業・食器)など、インバウンドの“爆買い”の減速傾向をうかがわせるコメントもあった。
ただし、来期の見通しについては、業況は-5.5、売上は-5.6となっており、現状よりも改善すると見込む。
調査期間は2016年5月21日~6月1日まで。対象企業2545社のうち、813社の回答を得た。