日本マーケットを対象としたカナダの旅行商談会「フォーカスカナダ」が、東京・新宿のヒルトン東京で2016年10月13、14日に開催された。3回目を迎えた今年は、カナダから56団体82名のセラーが来日し、日本からは50団体77名のバイヤーが参加。開催に合わせ、主催者であるカナダ観光局(DC)のデービッド・ゴールドスティーン社長兼最高経営責任者(CEO)が来日し、日本市場に対する取り組みと展望について語った。
2015年にカナダを訪れた全世界からのインバウンド旅行者は、前年比7.5%増の1778万人と大きな伸びを示した。ゴールドスティーン氏は「シェフが国際的な賞を受賞したり、ハリウッドで映画人が多数活躍するなど、カナダはさまざまな場面で世界的に注目され、今まさに黄金時代(ゴールデンエイジ)を迎えている」として、今後は毎年5%ペースの伸び率で、2020年に2000万人のインバウンド誘致、200億カナダドルの旅行消費額を目指すと語った。
DCが重視する11カ国の1つに数えられる日本は、ここ4年連続で旅行者数が増加している。DCでは2016年の日本人旅行者数を前年比6%増の29万1000人を目指しているが、「この目標達成と、5年連続の増加はほぼ確実」とゴールドスティーン氏は明言し、2017年の目標は4%増の30万3000人と語った。
「近年のエア・カナダによる日本路線の拡大も追い風の一つ」とゴールドスティーン氏は語った。エア・カナダは2015年夏季に大阪/バンクーバーの直行便を就航させ、2017年夏季は名古屋/バンクーバーの直行便就航が予定されている。DCは日本市場に対して2016年には前年比30%増のマーケティング予算を投じたが、2017年はさらに15%増額するとして、同氏は「2020年には、50万人の日本人旅行客誘致を目指したい」と述べた。
現在、DCは「We are not cold, but cool(カナダは寒いんじゃない、クールなんだ)」をキャッチフレーズに、都市観光やアウトドア・アクティビティ、食などの魅力を多面的に打ち出し、カナダ国内の若年層を対象とした冬の集客キャンペーンに注力している。「日本市場でも若年層をターゲットに同様のキャンペーンを実施する予定」とゴールドスティーン氏は語った。
DC日本地区代表の半藤将代氏は「20~30代の女性をメインターゲットに、今後3年間かけてカナダの冬の魅力を訴求していきたい。プロモーションが終了する3年後の2019年冬季シーズン(2019年11月~2020年3月)の日本人旅行者数は、2015年冬季シーズンの80%増を目指している」と述べた。
2017年にはカナダ建国150周年を記念し、1年間を通じてカナダ各地でさまざまなイベントが開催される。日本でも春のキックオフイベントをはじめ、関連イベントを行うとしており、詳細情報はDC日本オフィスから随時、リリースされる予定だ。
取材・記事 井上理江