清水建設と三井不動産、日本IBMの3社は共同で、東京・日本橋地区を対象とする音声ナビゲーションサービスを開始する。スマートフォンアプリ「NavCog」を使い、対話形式で最短経路やおすすめの店舗などを紹介するもの。対応言語は日本語と英語。車いす利用者や視覚障がい者にも利用しやすいナビゲーションを工夫している。
最初に目的地を設定するには、例えば利用者が「3歳の子供を連れてケーキを食べに行きたいんですけど」とアプリに話しかけると、アプリが「○○にご案内しますか? コレドさんのおすすめです」 「○○の魅力は愛され続けるチョコレートケーキです。○○にご案内しますか?」などと回答。その後、目的地への誘導が開始される仕組みだ。
一般歩行者には最短経路を案内するほか、車いす利用者には階段や段差のないルートを地図上に示しながら案内。視覚障がい者向けには、歩行速度に合わせ、例えば「9メートル進み、正面のエレベーターを使って3階へ上がる」「扉の右に呼び出しボタン。点字有り」といった情報も提供される。
今回の取り組みは、2月8日から28日までにわたり実証実験としておこなうもの。対象エリアは、東京メトロ銀座線三越前駅から江戸桜通り地下歩道、三井不動産が運営する商業施設「コレド室町1~3」までの合計約2万1000平方メートル。
スマートフォンを使った音声ナビゲーション技術によるシステム構築は日本IBMが実施。三井不動産がエリア内の店舗紹介やメニューなどの情報を提供。清水建設がエリア内にビーコン224個を設置し、ナビゲーション用地図の作成や来訪者の位置を検出するシステムの構築を担当。3社が国土交通省や東京都中央区、日本橋室町エリアマネジメント、日本点字図書館の協力を得て実現した。