JTB総合研究所はこのほど、日本人による海外旅行に関する調査結果を「海外観光旅行の現状2017」としてまとめた。それによると、直近1年間の海外旅行先最多は台湾(12%)、韓国(8%)ほか、アジア地域で約5割を占めた。また、旅行形態では、個人で宿泊や航空チケットを手配する個人手配旅行(FIT)が55.1%と過半数越えに。スケルトンツアーとよばれる自由行動型ツアー(送迎あり・なし)を含めると、全体の約8割は旅行先での「自由行動」を選択していることが判明した。
属性でみると、FIT割合が最も多いのは50代男性(69%)。一方、60歳以上では傾向がやや異なる。男性60歳以上では、現地ガイド付きツアーが17.0%、添乗員付きツアーが18.0%、団体旅行その他が3.9%で合計約4割が自由行動以外のツアーを利用。女性60歳もガイド付きが15.5%、添乗員付きが25.2%、団体旅行その他が3.9%となり、全体の45%を占める結果となっている。
性・年齢別 直近の海外旅行の形態は以下のとおり。
海外旅行の手配を行った場所は、「ウェブサイト」が69.1%で最多。次いで「旅行会社の店舗(来店)」が21.2%、「旅行会社の店舗(非来店)」が3.3%。旅行形態別の申込方法では、ウェブサイト経由の4割以上が「航空券やホテルを別々の予約・購入」。店舗(来店)では「スケルトンツアー(送迎あり)」が33.3%、旅行会社コールセンター経由では「添乗員付きツアー」が27.7%と傾向が分かれた。
なお、同調査では、国内・海外旅行の頻度や意向をもとに旅行者をセグメント化して分析をおこなっている。具体的には、海外旅行に少なくても2~3年に1回以上出かける層を「海外旅行コア層」、国内旅行中心だが周囲に流されて海外旅行にも行く層を「海外旅行ライト層」、国内旅行中心で海外にはあまり出かけない層を「国内旅行コア層」、周囲に流されてのみ(主に国内)旅行に行く層を「旅行ライト層」と定義。海外旅行経験者の分布をみると、「海外旅行コア層」の割合が増加傾向にあり、2016年には7割に成長。また男女とも、海外旅行コア層は60歳以上の世代が最多だったという。
この調査は、全国18歳から79歳までの男女を対象にしたもの。4万人に対するスクリーニング調査の後、2016年1月以降に海外観光旅行(ビジネス旅行は含まない)を経験した2060名を対象に実施した。