点在する空き物件をまとめて街を「クラウド型ホテル」に、大阪USJ近隣地区で観光拠点の新構想

大阪を拠点に中古住宅リノベーション事業をおこなうクジラ社は2017年6月15日より、空き物件を活用した観光拠点「SEKAI HOTEL(セカイホテル)」を開業する。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に隣接する大阪市此花区西九条地区で、中古物件をリノベーションして国内外観光客向けに提供。さまざまなアクティビティに利用できるようにする。

同エリアは、長屋形式の住宅や再建築ができない中古住宅が多く用地取得が難しいため、これまで行政による大規模な再開発が行われていなかった場所。今回のプロジェクトは、大規模開発ではなく、リノベーションの手法を用いて小規模・迅速・持続的に街の再整備につなげるのが特徴。点在する空き家を活用しながら街全体にホテルとしての機能を持たせる「クラウドホテル」がコンセプトだ。同社によると、提供する客室は現行の旅館業法下の簡易宿所に登録済みの物件や特区の民泊制度を活用した施設で構成する。

2016年6月15日のオープン時には、エリア内にフロントと客室6室を開設。フロントでは観光ガイドサービスの提供に加え、オリジナルグッズを販売する。2018年以降には近隣飲食店との連携や誘致を開始。障がい者就労継続支援A型事業所開設によるグッズ制作、客室清掃メンテナンスなどの人材雇用もおこない、将来的には、同地区の人々が「SEKAI HOTEL」を運営していくモデルにつなげていく考え。

なお、スタート時の参画企業は、クジラ社のほか、グラフィックデザインのサイバーポート社、民泊業・旅行業のOtomari社、語学教室のChinese Language School、法務・労務のフォーカスクライド法律事務所、障がい者就労支援のNPO法人ARCO。大阪市内の企業が複数連携し、役割分担をおこなう構図となっている。

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