アマデウス・ジャパンはこのほど、「ディスカバー・アマデウス グローバル・トラベル・エコシステムの可能性」と題した顧客向けのイベントを開催した。当日は、旅行・航空・空港・DMOなど複数分野から250名を超える参加者が集結。アマデウス・ジャパン代表の竹村章美氏は、来場者に「日々進化を遂げる旅行の世界で変革は必須」として旅行業の未来予測から「ビジネスでの気づきや大きなチャンスに繋げてもらいたい」と呼びかけた。
今年は、同社の創業から30周年。登壇したアジア パシフィックコーポレート、マーケティング&コミュニケーション担当バイスプレジデントのカルン・ブドラジャ氏が、その歴史と時代の変化を説明。2000年以降、テクノロジーの急伸によってグローバルレベルで「創造的破壊が起きている」として、旅行の未来を見据えた取り組みが重要であることを指摘した。
基調講演ではアマデウス アジア太平洋地域プレジデントのアルバート・ポゾ氏が登壇。変化のスピードが今までと比較にならないほど速く、その変化と進化の中心にあるのが「消費者」であることを強調。消費者の声を把握し、選択肢を与えるサービスを提供することが重要であると訴えた。
また、旅行に「テクノロジー」の進化が欠かせないトレンドがある一方で、人工知能(AI)やAPIを通じたシステムの相互接続などの活用とともに「高性能ながらシンプルさ」を求める消費者が増えていることも指摘した。
こうしたトレンドを踏まえ、同社としては「旅行者に注目してすべての投資をしていく(ポゾ氏)」考え。旅行者一人一人の個人の希望に基づいた旅行体験をオーダーメイドできる環境や、シームレスなデータ交換で旅のすべてを管理すること、経済・社会・環境に責任を持つ成長を推進していく決意を表明した。
シームレスな旅の実現へ、連携や買収を積極展開
イベントでは、同社の近年の動きについても紹介。旅行前から旅行後まで、一連の旅の行動をシームレスにするために、同社は2014年から2016年の3年間で9社を買収。その投資額は13億ユーロ(約1600億円)にのぼり、航空会社、空港、ホテル、旅行会社などを対象としたIT分野の各社をグループ内に収めたという。
さらに、オープンAPIや共同開発による旅行会社やテクノロジー会社などとの連携も強化。国内では、HIS、DeNA、LINEなどと各分野の専門性を活かした連携も推進してきた。
こうした各種連携で、同社は各種サービスをつなぐプラットフォームとしての機能を向上させていく方針。旅行サイクルで、シームレスにつながる一連のエコシステムを構築することで、今後も旅行者・出張者の利便性の高いサービスを開発していく考えをアピールした。
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