東京商工リサーチによると、2017年上半期(1月~6月)の旅行業の企業倒産件数は、前年比1件増の15件。負債総額は202億2000万円。3月に破たんしたてるみくらぶと関連会社・自由自在の負債が9割以上を占め、前年同期の24億6900万円から177億5100万円増(718.9%増)と大幅に増加する結果となった。
東京商工リサーチによれば、日本人海外旅行者数や外国人による訪日旅行者数は引き続き好調となっているものの、旅行業者では業者間の格差が発生。小規模業者では業績が伸び悩み苦しい経営が続いているもの少なくないとしている。
一方、宿泊業の2017年上半期の倒産件数は47件で、前年同期比7件増だった。負債総額は236億8900万円で前年比9.7%減。
上半期で負債総額が最も大きかったのは長崎・雲仙市の「東洋館」で37億円。収容人数500名を誇る県内最大規模の老舗旅館「ホテル東洋館」を運営し、ピーク時には売上高約23億円を計上していたものの、他地域との競争激化や個人消費の低迷などの影響で客数が減少。さらに熊本地震が発生したことが追い討ちをかける結果となった。
東京商工リサーチによれば、大型倒産では宿泊事業を別会社に譲渡して本社企業の法的整理をおこなうケースが多く見られた。一方、地方遠隔地の小規模な施設では販売不振や赤字累積による倒産が多いという。