【図解】訪日外国人数、上半期累計が1300万人を突破、2017年6月は18.2%増の234万6500人に(速報)

日本政府観光局(JNTO)によると、2017年6月の訪日外国人数(訪日外客数:推計値)は前年同月比18.2%増の234万6500人。昨年6月の198万6000人を36万人以上うわまわり、6月として過去最高を記録した。1月からの上半期累計は前年比17.4%増の1375万7000人となり、調査対象となっている主要20市場すべてが過去最高となった。

観光庁の田村明比古長官は、記者会見の場で航空座席の供給量増などが奏功したと分析。特にLCCが増加する韓国市場が6割増超えの好調な伸びで訪日旅行者数の増加をけん引していることや、日本が初めてという若者が増えてきている分析もあることを指摘した。また、イスラム圏の断食明け大祭休暇や学校休暇などにフォーカスした訪日プロモーションや、クルーズやチャーター便の就航などが訪日需要の高まりに寄与したとしている。

2017年6月の訪日外国人数と前年推移は以下のとおり。

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市場別の6月のトップは中国で、前年比0.8%増の58万7200人。また、韓国は前年比63.8%増と大幅な伸びを記録。人数では56万8900人となり中国に次ぐ数字となった。続いて、台湾が9.0%増の43万3600人、香港が23.7%増で20万1800人。これら4か国・地域で全体の76.3%を占めた。

上半期累計の最高は、前年比42.5%増の韓国で339万5900人。次いで中国が6.7%増の328万1700人、台湾が6.1%増の228万8000人、香港が24.8%増の108万3400人。そのほか、伸び率ではインドネシアが44.9%増、ロシアが40.6%と顕著な伸びを示した。上半期は、昨年を上回るペースで好調に推移しており、田村長官は「下半期も継続すべく努力する」と意欲をみせた。

各市場の詳細は以下のとおり。

JNTO報道資料より

なお、同日に発表された訪日外国人消費動向調査(平成29年4~6月期)の速報では、訪日外国人による旅行消費額が四半期で過去最高の1兆776億円に。上半期の累計で初めて2兆円を突破した。

観光庁:田村長官

一方で、訪日外国人1人当たり旅行支出は14万9248円で前年同期(15万9,933円)に比べ6.7%減少。こうした状況について、田村長官は、消費動向が「明らかに2年前の爆買いと言われた消費と変化している。個人旅行者が増え、自分たちのものを購入する消費に変化している」と指摘。韓国市場など近隣諸国からの滞在日数の少ない旅行者の増加が消費額を抑えているとみる。

こうしたことから、今後も欧米市場の強化や富裕者層などへのアプローチなど様々な客層の旅行者を総合的に取り込んでいく活動に注力する考えだ。

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