ユーロモニターインターナショナルは、 ロンドンで開催された旅行業界の世界最大級のイベント「ワールド・トラベル・マーケット・ロンドン(WTM)」で『2017年版世界の観光都市トップ100』を発表した。それによると、世界の観光都市の第1位は8年連続で香港に。以下、バンコク、ロンドン、シンガポール、マカオと続いた。中国人海外旅行者の増加によって、今後10年間でランキング上位はアジアの都市が占めることになると予測している。
2017年の香港への延べ旅行者数は約2,565万人の見込みで、前年の約2,655万人を下回ると予想されているものの、1位を維持。一方、2位のバンコクは2016年の約2,125万人から2017年は2,327万人に増加する見込み。
アジアの観光都市トップ10には第8位に東京がランクイン。旅行者数の伸び率が最も高い都市はバリのデンパサールで、2017年は前年比50%以上の増加になる見込み。インドネシアの都市は中国人向けビザの免除などが後押しし、中国人旅行者が今後増加すると予想されている。
延べ旅行者数が最も増えると見込まれている都市はインドのデリーで2017年は前年よりも280万人増加すると予測。一方、韓国は中国との関係悪化によって、2017年は同14.9%減となる見込み。これまで中国人旅行者が多かった済洲もマイナスに転じると予測されている。日本では、中国人旅行者の急増によって、東京や千葉のホテル料金が急騰したため、旅行者増加の足かせとなったと分析している。
このレポートでは地域別の主要トレンドも報告している。たとえば、アジアの旅行市場では急速にキャッシュレス化が進んでいることを指摘。韓国では完全キャッシュレス化が定着、中国ではAlipayやWeChat Payなどの簡易なモバイル決済方法が都市部を中心に広がり、インドではモバイル決済アプリPaytmの登場によって、キャッシュレスで旅行商品を購入する傾向が高まっている。