【年頭所感】新経済連盟代表理事 三木谷浩史氏 ―官民一体で未来に向けた成長を

新経済連盟の代表理事を務める三木谷浩史氏が、2018年の年頭所感を発表した。

新経済連盟はこれまで、観光分野を含め多くの政策提言を実施してきた。2018年はこれまでの提案内容を基礎として、新たなテクノロジー環境や政治社会状況を踏まえた基本政策を策定。官民一体となって「ゼロベースで」これまで常識とされていたことを直す作業を推進し、来るべき未来に向かっていきたいとの考えを示している。

発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。


2018年 年頭所感

あけましておめでとうございます。

2012年に設立した新経済連盟は、昨年で丸5年を迎えました。この節目の年に我々は、”Hello, Future ! ” の合言葉の下、精力的な活動を進めてまいりました。

4月に開催した「新経済サミット(NEST2017)」では、ベン・ホロウィッツ氏(Andreessen Horowitz/共同創業者兼ゼネラルパートナー)、ドリュー・ヒューストン氏(Dropbox共同設立者兼CEO)、トム・ケリー氏(IDEOパートナー/D4V(Design for Ventures)創業者兼会長)など、世界中から著名なイノベーターたちを招き、社会をより豊かで刺激的にするアイデアについて語っていただきました。

また、関西支部を正式に立ち上げ、10月に行った「KANSAI SUMMIT」をはじめ、数回のイベント開催や現地関係者との交流を通じて、我々の考え方の更なる浸透に向けた第一歩を踏み出すことができました。

更に、6月にはイスラエル視察、12月には「シリコンバレー・サミット」と題した米国西海岸での企業訪問・懇談会を開催するなど、海外にも活動の場を広げ、世界の最新の潮流を体感するとともに、日本の現状とその可能性について発信することができました。

本年は、このような成果を踏まえつつ、我が国の競争力強化に向けた施策を力強く展開していくために、極めて重要な年になると考えております。

今、この国には言いようのない閉塞感が漂っています。少子高齢化と人口減少、産業競争力の低下、大規模災害の可能性や国際関係の緊張・・。このような現状を目の前に、我が国の将来を憂い、悲観する声が少なくないことも事実です。

しかし、我々のまわりには、未来への希望を感じさせる、明るい種が育ちつつあることも見逃してはなりません。人工知能・ロボティクス・IoT・ブロックチェーン等、テクノロジーは急速に進化し、シェアリングエコノミーやX-Tech等、それらを活用した全く新しいサービスが次々に現れています。日本においても、最先端の技術とビジネスモデルを駆使したイノベイティブな企業が産業界を先導するようになっています。

こうした動きはまだ始まったばかりであり、その勢いを更に伸ばして大きな成長へとつなげるためには、社会全体で後押しをする必要があります。残念ながら、我が国には、規制・慣習・人々の意識といったあらゆる側面において、古くなったものを守り、新しいものを拒む傾向が残っています。この国が、未来に向けて新たな繁栄の果実を手にするには、官民一体となって、これまでの常識をゼロベースで見直す作業が求められることになります。

我々はこのような問題意識の下、2015年5月に基本政策「Japan Ahead」を発表し、それを踏まえた多くの政策提言を行ってきました。本年は、これを基礎としつつ、最新のテクノロジー環境や政治社会状況を踏まえた更新版「Japan AheadⅡ(仮称)」を作成し、経済活性化・競争力強化に関する現時点での我々の考え方を、世に発信していく予定です。

新経済連盟は、変化し続ける世の中の最前線に立ち、「未来の水先案内人」として、関係する全ての方々と協力しながら、時代を先導する役割を今年も果たしていく所存です。

皆様方の変わらぬご支援、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

2018年1月1日


一般社団法人新経済連盟
代表理事 三木谷浩史

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