日本政府観光局(JNTO)発表による2017年1年間の訪日外国人数(推計)を東南アジア4市場(タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア)でみると、いずれも年間合計人数の過去最高を更新した。
タイが9.5%増の98万7000人と4市場中最多となっているが、伸び率ではインドネシアが3割増の35万2200人で大きく成長。シンガポールは11.7%増の40万4100人、マレーシアが11.5%増の43万9500人で、シンガポールとマレーシアは初の40万人超え、インドネシアは初の30万人超えとなった。このほか、フィリピン、ベトナム、インドを加えた7市場で全体の1割を占める結果となっている。
2008年から2017年まで、直近10年間の東南アジア4市場の訪日外国人数推移は以下のとおり。
なお、今回の年計は2017年12月の推計値発表に伴うもの。2017年12月は、タイが20.1%増の11万5800人、シンガポールが13.9%増の8万6400人、マレーシアが2.2%増の6万4700人、インドネシアが27.9%増の5万2300人。シンガポールとマレーシア、インドネシアは単月として過去最高を記録。タイは12月として過去最高となった。
2017年1月~12月までの推移は以下のとおり。
JNTOによれば、2017年通年の状況として、タイは7月以外のすべての月で過去最高を更新し、東南アジア市場からの訪日需要をけん引。シンガポールは海外旅行需要が低迷するなか、継続的な訪日プロモーションが功を奏して堅調に推移した。マレーシアは航空会社による日本各地を対象とするプロモーションの効果が見られたほか、ムスリム向けのPRで訪日意欲を喚起。3月にはJNTO事務所をクアラルンプールに開設し、事業強化を推進した。インドネシアでも、ムスリムフレンドリーな旅行環境をPRしたほか、旅行博での即売会などを中心とする購入チャネルの浸透を推進。7月以外のすべての月で前年比2ケタ以上の大幅な伸びをみせた。