クルーズのオンライン旅行予約サイト「ベストワンクルーズ」を運営するベストワンドットコムが、2018年4月25日に東京証券取引所マザーズ市場に上場する。公募・売出価格は4330円で、公募は7万5000株、売出しは3万4000株、オーバーアロットメントによる売出しが1万6300株。
同社の代表取締役社長は、エイチ・アイ・エス(HIS)代表取締役会長兼社長(CEO)澤田秀雄氏の長男である澤田秀太氏。実姉で現取締役管理部長の米山実花氏が2005年9月に立ち上げ、2012年に澤田秀太氏が引き継いだ。資本金は1億3207万2000円で、第1種旅行業としてクルーズ乗船券とクルーズのパッケージ旅行を24時間対応のオンラインで販売。あわせてクルーズ旅行に付随する航空券やホテル、送迎、オプショナルツアーなども販売する。2018年2月28日現在で、国内外61社と契約し、計1万7101コースをサイト上に掲載している。
今回の公募増資による資金は、チャータークルーズ催行の仕入金で使用する計画。また、事業拡大のための人件費、集客増加用の広告宣伝費に充当する。
今後は、広く一般の旅行者の認知を得るまで、強みの磨き上げを図る。具体的には、今回の資金調達によるチャータークルーズの実施のほか、添乗員同行ツアーなどのオリジナルツアーの品質やラインナップを改善。日本での総代理店業務を含む、日本で取り扱いのない外国船の取扱い、船会社との関係強化による各種割引料金や船上特典、セミナー開催なども進めていく。
第12期連結決算(2016年8月1日~2017年7月31日)は、売上高が前年比27.6%増の11億9658万円、営業利益は324.5%増の4867万円、経常利益は815.8%増の5182万円、当期純利益は594.7%増の3464万円だった。営業利益と経常利益の高い伸び率は、広告施策の効果による広告費削減(前年比61.8%)によるもの。また、前期に計上した為替差損745万円に対し、当期は266万円だったことも影響したという。