もし「アマゾン」に旅行予約サービスがあったら? 米国旅行者のうち「使ってみたい」は4割超、決済部門ではペイパルが人気 ―OAG調査

OAGはこのほど、米国の旅行者2164人を対象に、最新技術を使った旅行予約・決済に関する意識調査レポート「The Future of Travel Booking and Payments」を発表した。eコマースのプラットフォームやソーシャル系、メッセージング・アプリなどについて、旅行業に参入していないものも含め、予約経路としての可能性を探った。

「もし旅行予約サービスがあったら、利用したいオンラインのプラットフォームは?」との質問では、複数の選択肢の中から「アマゾン」を挙げた人が最も多く、全体の44%を占めた。次いで多かったのはフェイスブックだが、同14%にとどまり、アマゾンと大差がついた。回答の選択肢は、ほかにインスタグラム、ピントレスト、リンクトイン、ツイッターがあったが、いずれも一桁台。

なお、残り49%は「そのほか」を選択した。こうした結果から、OAGでは、旅行予約の主要なチャネルは、少なくとも近い将来については、引き続きOTAや航空会社、ホテルなどのサプライヤーであり続けると分析。一方、デジタルやモバイル利用の浸透に伴い、長期的には予約経路が激変する可能性も指摘。特にアマゾンとグーグルは影響力が大きいプレイヤーとしている。

OAG:発表資料より(複数回答)

「旅行の予約が、快適にできそうだと思うプラットフォームや手段は?」との質問では、「アマゾン、フェイスブック、グーグルなど消費者プラットフォーム」を選択した人が全体の32%と最多。次いで「ウェブサイト上の自動チャット・エージェント」が28%、「SiriやOKグーグルなどモバイル・アシスタント」が25%、「テキストメッセージ」が20%、「アマゾン・エコー、グーグル・ホームなどボイス対応システム」が18%、「フェイスブック・メッセンジャー、ワッツアップなどソーシャル系メッセージングアプリ」が9%だった。

こうした新しい予約経路については、全般的に、観光目的より、業務渡航目的の旅行者の方が興味が高いという傾向も浮かび上がった。ただし、例えばアマゾン・エコーやグーグル・ホームなどのデバイスで実際に予約をしたことがある人の比率はまだ2%だった。

決済手段でも、新しい選択肢が増えている。同調査では、選択肢としてペイパル、アップルペイ、グーグルウォレット、ビットコイン、フェイスブック、ウィーチャットペイ、アリペイを挙げ、「旅行関連サービスの予約決済で使ってみたいものは?」と質問。これに対し、約半分を占める49%と最も多くの人が選んだのはペイパル。次いでアップルペイが42%、グーグルウォレットが22%だった。一方、どの決済方法にも関心がない、との回答は29%を占めた。

OAG:発表資料より(複数回答)

また全般的にミレニアル世代では、こうした支払い方法への関心が、他の世代より高い。例えばビットコインで支払ってみたいと回答した人の比率は、全体では6%だが、ミレニアル世代では14%と実に倍以上。アップルペイも使ってみたいと答えた。

ビットコイン決済は、旅行関連では、バルチック航空(airBaltic)、チープエア(Cheapair.com)、サーフエア(Surf Air)などが受け付けるようになっている。エクスペディアでも、ホテル限定ながら、ビットコイン決済が可能だ。

バイオメトリクス認証を活用した決済については、全体の57%が「顔認証や指紋認証での支払いを利用してみたい」と回答した。

調査の実施期間は2017年12月から2018年1月。対象者の内訳は、観光目的の旅行者が67%、ビジネス渡航が33%。

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