九州経済研究所のまとめによると、NHK大河ドラマ「西郷どん」放映による鹿児島県への経済効果は、258億円。そのうち宿泊・飲食費などの直接効果は168億円、直接効果の増加から創出される生産額増加分(第1次生産誘発額)と、第1次生産誘発額の発生による各産業への波及効果にもとづく生産額増加分(第2生産誘発額)の合計は90億円となっている。
また、一人当たりの観光消費額は、鹿児島県外からの宿泊客で3万6508円、県内客で2万510円、日帰り客では県外が7780円、県内が3893円、奄美群島への宿泊では3万8495円だった。一方、観光客数の推計は合計59万9300名で、内訳は県外からの宿泊客が40万9000人、県内からが2万2000人、日帰り客は県外が3万4000人、県内が12万8000人。
今回の調査は、同ドラマの放映によって観光客が訪問する可能性の高い観光施設(西郷どん大河ドラマ館、維新ふるさと館、仙巌園、西郷南洲顕彰館、雄川の滝、いぶすき西郷どん館)や奄美群島内の宿泊施設などで実施したアンケート、および2011年「鹿児島県産業連関表」をもとにしたもの。ドラマをきっかけとした訪問者による観光消費額や、関連事業や施設などの運営・建築費など関連投資を推計し、最終的な経済効果を試算した。アンケートの有効回答数は1157件。
同研究所によれば、2008年の大河ドラマ「篤姫」放映による経済効果は262億円。「西郷どん」の結果がわずかに下回ることになった。