6月5日は国際連合が環境保全に対する関心を高め啓発活動を図る日として制定した「環境の日」。日本の旅行業界でも自然を観察したり、仕組みを学んだりするツアーが注目を集めつつあるが、世界ではどのような取り組みが行われているだろうか。「環境の日」にあわせて、エコツーリズム先進国であるニュージーランド政府観光局は同観光業界が取組んでいる環境への取り組み事例を発表した。
ニュージーランドが旅行者向けの環境への配慮をまとめた指針が「ティアキ・プロミス(TIAKI Promise)」。ティアキとは、ニュージーランドの先住民マオリの言葉で、「環境や人々を守る」という意味。自然を守る、クリーンに保つ、安全運転をする、準備を怠らない、敬意を払うといったポイントが提言されている。ニュージーランド政府観光局は、ニュージーランドへの旅行者に対し、ティアキ・プロミスを守ることを事前に宣誓する意味を込め、関連画像をダウンロードしてSNSでシェアしてもらう取り組みも行っている。
大自然が魅力のニュージーランド。2019年6月からは、電気キャンピングカーのレンタルも始まる。Jucy社が日本の日産の車をベースに試作し、実証実験を経た上で事業化したもので、同社CEOのDan Alpe氏は「低価格で再生可能なエネルギーで動く電気キャンピングカーを利用すると、 燃料費を低く抑え、セーブしたお金でニュージーランドの観光をさらに楽しむことができる」と話す。
また、北島のワンガヌイ地方にあるラグジュアリー・コテージ「Nightsky Cottage」は“ごみゼロ”を推進。プラスチックを一切使用せず、宿泊客の食べ残しも肥料として活用している。
観光局によると、ニュージーランドにとって観光産業は外貨収入における最大の収入源。それゆえに、持続可能な観光産業の発展のために本気で取り組む姿勢には学ぶことが多そうだ。