国連世界観光機関(UNWTO)のスラブ・ポロリカシュヴィリ事務局長は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が世界中で拡大し、各国で旅行の制限が行われていることに対して、新たな声明を出した。
ポロリカシュヴィリ事務局長は声明の中で、新型コロナウイルスのパンデミックによって、観光業は前例のない打撃を受け、旅行業界の80%が中小企業であるため、世界中で何百万人もの生活が脅かされているとの認識を示しつつも、「最優先すべきことは人の健康と幸福である」と強調した。
そのうえで、すへての人々が解決に向けた責任を共有する重要性を指摘。人道的な活動、重要な出張、サプライチェーンの維持などで、旅行を継続する人もいるが、自分自身だけでなく他人にも注意を払うべきだとし、もし旅行する場合には、安全に配慮し、決められたガイドラインに従うべきと付け加えた。また、UNWTOについては、世界保健機関(WHO)のアドバイスに基づいて、公衆衛生を守っていく方針を明確にした。
UNWTOのすべてのイベントは4月30日まで中止され、専門家の意見をもとに再開の時期を決める予定。また、UNWTOの職員も3月末までは在宅勤務になるが、職務は継続していく。
ポロリカシュヴィリ事務局長は、「観光は将来の経済の回復をリードする存在」としたうえで、「UNWTOは、コミュニティ全体と経済の回復に貢献していく」とコメント。最後に「By staying home today, we can travel tomorrow. And travelling tomorrow will support jobs, celebrate culture and promote international friendship and understanding.(今は我慢の時。今は家にとどまり、近い将来、旅に出よう)」と呼びかけた。