ポスト・コロナ時代にタビナカで起きる3つ変化を予測した、地元の再発見から価格への影響まで【外電】

新型コロナウイルスの感染爆発により、みんなが影響を受けている。金融市場が大幅に下落し、事業の停止や、従業員の解雇に踏み切らざるを得ない企業が多数出ている。

まるで大恐慌とスペイン風邪が同時に起きたような、これ以上ないほど最悪な状況だ。

※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社が運営するニュースメディア「フォーカスワイヤ(PhocusWire)」に掲載された英文記事を、同社との提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

旅行業界へのコロナ打撃はどうだろう?

ざっと見まわしただけでも、かつてないほどひどい有様だ。

  • 都市はロックダウンされている。
  • 旅行者はツアーや宿泊、フライトの予約をキャンセルしている。
  • 観光アトラクション施設は閉鎖。
  • 小規模ビジネスはもはや動きようがない。もっと大きいところも、キャッシュフローをできるだけ確保し、なんとか生き残るのに必死だ。

この危機的な状況は、あとどれくらい続くのだろう。その期間が長ければ長いほど、旅行者へのインパクトもさらに大きくなる。

私のビジネスは、ツアーや体験アクティビティの分野なので、ツアー業界の今後について、どのような変化が起きるか考えてみた。

ツアー業界で起きるであろう3つの予測

1.セルフガイドツアーとプライベートツアーの時代がやってくる

数週間、あるいは数か月におよぶ自主隔離や自粛生活を経験した後、人々は、大勢の他人と一緒に歩く団体ウォーキングツアーに対し、「ちょっと待てよ」と慎重になるだろう。ましてや遠い異国の地で、知らない人と一緒に行動するのであれば、なおさら気を付けるようになる。

そこで、他の選択肢も用意するというのが私の提案だ。自分一人で、あるいはプライベートツアーの形で、旅先での体験を楽しみたいと考える人が増えるのではないか。ちなみに、この傾向は、これまでにもすでにあった。

2019年の「アライバル・レポート」を見ると、米国人旅行者の間では、プライベートツアーや小さいグループの方が好まれる傾向が顕著だった。

また全体で見た場合、回答者の50%は、自分たちのグループだけで旅先を楽しんでいた。この数字は、さらに拡大すると予想している。

2.価格訴求力や付加価値が重視される

新型コロナウイルス禍は、健康と経済、2つの側面から危機をもたらしており、人々の消費に大きく影響を及ぼすだろう。旅行やツアーの相対的な重要性は、どうしても低くならざるをえない。

ようやく旅行需要が動き出したとしても、まず予約が入るのは、宿泊施設やフライトで、旅先での体験アクティビティはその後だ。予算配分を考えたとき、当然、お財布への負担が大きくない範囲内で探す人が多くなる。

3.遠い海外より地元の再発見

都市のロックダウンが解除された後、自由になった人々は、まずは自分の暮らす街に繰り出す。地元エリアに対する関心が今までよりも強くなり、我が街を再発見する機運が高まるのではないか。

遠くよりもローカルなところに目が向くと考えるもう一つの理由は、しばらくの間、一部の規制は、継続される可能性があるからだ。例えば海外旅行は、安全の問題が懸念され、制限されるかもしれない。そうなると、現実的な旅行先は、国内や近隣地域に限られる。

こうした理由により、需要回復に向けて、まず大々的にプロモーションが始まるのは、近場への旅行となる公算が大きい。これは地域経済を復活させる最初の一手としても有効だ。地域のレストランや観光施設にとって、海外からの旅行者が戻ってくるまでの間、こうした地元客の需要取り込みがカギになる。

※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社が運営するニュースメディア「フォーカスワイヤ(PhocusWire)」に掲載された英文記事を、同社との提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

オリジナル記事:Tours are at an absolute low - here’s how they can recover after COVID-19

著者:Alex Govoreanu氏(クエスト社創業者兼CEO)

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