エクスペディア・グループがこのほど発表した2020年第1四半期(2020年1~3月)決算によると、同期の取扱(予約)高は前年同期比39%減の178億8500万米ドル(約1兆9137億円)、売上は同15%減の22億900万米ドル(約2364億円)となった。
同期の営業損益は、赤字が前年同期の約10倍となり12億9400万ドル(約1385億円)。最終赤字も同様に拡大し、13億100万ドル(約1392億円)の純損益となった。税・利息・減価償却前の営業利益(Adjusted EBITDA)は1億7600万ドルの黒字から7600万米ドル(約81億3200万円)の赤字。
ピーター・カーン最高経営責任者(CEO)兼副会長は、エクスペディア・グループにとってコロナ危機による打撃は深刻であるものの、コスト削減策の実施や追加の資金調達により、「この荒波を乗り越え、ビジネスを回復させるのに十分な流動資産を確保している」とコメントしている。
また未曾有の状況下で「当社のチームは、旅行者や取引サプライヤーを支援するために大活躍した」とも話し、やがて旅行需要が回復する頃にはこうした努力の成果が実り、「我々は以前にも増して強くなっている」と自信を示した。
感染拡大が広がるなか、同グループでは一時期、通常の倍以上の問い合わせが顧客から殺到。こうした時期が10週間以上、続いたという。膨大なキャンセル依頼に対応するため、同社では急遽、利用客が担当者を介さずに、セルフサービスで宿泊や航空券をキャンセルできる自動機能をサイト上に追加。4月には航空券キャンセルのうち95%をこうしたセルフ対応が占めた。
エクスペディア・グループ全体での商品セグメント別の売上シェアは、宿泊関連が全体の69%、広告・メディアが9%、航空券が5%、それ以外が17%。
このうち最大を占める宿泊関連の売上は、前年同期比10%減、取扱い泊数は同14%減の6940万泊。航空券の売上は同56%減、取扱いチケット数は同26%減、一件当たり売上が41%減。
米国市場とそれ以外の海外市場を比較すると、売上ベースで米国内が同11%減の13億1700万ドル(約1409億円)、海外は同21%減の8億9200万ドル(約954億円)。海外市場の比率は40%となり、前年同期より3ポイント減。
支出項目では、ダイレクトマーケティング削減などにより、営業マーケティング費が前年同期比20%減の12億1000万ドル(約1295億円)、経費合計は同6%減の23億3400万ドル(約2497億円)。
※円換算は1ドル107円としてトラベルボイス編集部が算出した。