鉄道会社が生き残るための戦略を聞いてきた、アクセンチュアが提唱する「デジタル変革」と「Wise Pivot」(PR)

人口減少と少子高齢化、テクノロジーの進展で業種を問わずビジネスには時代に合わせた大きな変革が求められている。企業がこうした時代を生き抜くために独自の知見に基づいて、世界各国で企業のデジタル・トランスフォーメーションを支援するアクセンチュアに、今、鉄道会社がとるべき「生き残り戦略」とはどのようなものか、アクセンチュアの提言を聞いてきた。

時代の要請に応える「生き残り戦略」を探り出す

鉄道産業には、今、大きな変革の波が押し寄せている。

その最も大きな要因は、「人口減少と少子高齢化」だ。鉄道の利用者数に確実に直結する問題で、さらには利用者だけでなく、鉄道業務に従事する人々も減っていく。巨大な装置産業である鉄道は、事業を維持するために一定規模の従事者が必要で、人手不足は既に慢性化している。鉄道業界にとって、人員確保は喫緊の課題となっているのだ。

同時に、テクノロジー進展によって「移動」そのものの変化も進んでいる。自動車の自動運転技術は、実用化の一歩手前まで成熟しつつあり、近距離の移動を担う主役が自動運転の自動車に代わる日もそう遠くない。人口の多い都市部でも、鉄道需要の減少に拍車がかかることは避けられないだろう。

鉄道事業が単体でコアビジネスとして成り立つことが難しくなる未来が近づいている今、鉄道会社には、グループ内の様々なリソースを活用した「生き残り戦略」が求められている。

多くの鉄道会社がデベロッパーとして沿線の街づくりや観光開発などを手がけてきており、不動産や生活サービスなどの関連会社を通じて、グループのシナジーを追求してきた。その経験や知見も生かしつつ、事業の差別化や付加価値の提案を通じて、新たな時代の要請に応えながら、眼前の課題を克服していくことが求められる。

デジタルを活用したグループ連携で新たなシナジーを

少子高齢化時代を乗り切る「生き残り戦略」に向けて、第一歩として想定されるのが「バックオフィス業務の効率化・標準化」だ。

アクセンチュア製造・流通本部シニア・マネジャーの遠藤陽亮氏は、「どの業界でも実践されているように思える『効率化・標準化』だが、定型化されたルーティンワークの見直しはコスト削減と生産性向上の“王道”であり、鉄道業界もその例外ではない」と説明する。

バックオフィス系の基幹システムの機能と付随する人手の作業を効率化あるいは自動化することは、「人手に依存する作業の削減」といった効果だけにとどまらず、「新たなリソースの余裕を生み出し、付加価値の高い業務へのシフトを可能にするという恩恵ももたらす」(遠藤氏)ことになる。

「バックオフィス業務の効率化・標準化」と同時に、フロント系業務の強化も求められることになる。既存顧客の深堀りと新たな顧客層の拡大を目指すうえで、様々な領域の関連会社があり、それぞれの事業で膨大なデータが蓄積されていることは、鉄道会社グループの大きな強みだ。

蓄積された膨大なデータをグループ共有の資産として活用し、新たな知見を獲得するためには、デジタルソリューションが有効かつ不可欠となる。デジタルソリューションは、リアルタイムデータを使った経営判断や現場オペレーションの柔軟化という経営・運用面での派生効果も生み出す。

デジタルの力を活用しながら、多彩なリソースとデータを持つ鉄道会社ならではのグループ連携を推進し、新たなシナジーを生み出すことこそ、変革が求められる時代を乗り切るカギとなるだろう。

製造・流通本部シニア・マネジャーの遠藤陽亮氏

“Wise Pivot”をキーワードに新規事業の実現へ

「鉄道会社ならではのシナジー」の実現に向けて、重要なフックとなるのはアクセンチュアが提唱してきた“Wise Pivot(賢明な転換)”というキーワードである。

巨大な変化の波が押し寄せている時代を迎え、既存のコアビジネスを維持しながら、いかに新しい事業に方向転換(ピボット)出来るかが、重要な課題として企業に問われている。進むべき方向性を正確に見通し、確信を持って取り組みを推進できるかどうかが、新規事業の成否を分ける。鉄道会社が“Wise Pivot”を実現するカギは、グループ内に蓄積された顧客データと事業リソースを連携させ、シナジーを生み出すための取り組みだ。既に、実現されつつある最先端のデジタルテクノロジーを活用した「街づくり」は、その好例と言える。

この新しい「街づくり」は、これまでも行われてきている鉄道路線の展開や不動産開発、住宅販売といった狭い領域にとどまらない。デジタルを利用して既存・新規の顧客データを分析し、可視化されたニーズをもとに、より多様な価値を顧客サービスとして創り出していくという手法が、新しい「街づくり」に求められている。

既存のビジネスを変革・強化しながら新規事業を育成する“Wise Pivot”の概念

福島県会津若松市では、東日本大震災の発生から5カ月後の2011年8月に、産官学民の連携による震災復興・地方創生の取り組みを開始しているが、アクセンチュアは、その取り組みの一つである「スマートシティ・プロジェクト(*1)」で、全体戦略の立案・インキュベーションの段階から一貫して支援してきた。

(*1)https://www.accenture.com/jp-ja/accenture-innovation-center-fukushima 

プロジェクトでは、ヘルスケアや省エネ対策から、観光促進、キャッシュレス化、データ活用のための人材育成まで、幅広い分野の事業創出が進められている。デジタルやモビリティに近い領域では、行政や地域の情報・サービスがワンストップで利用できる地域情報ポータルサイト「会津若松+(プラス)」を運用。また、地域住民の交通利用を支援する「スマートモビリティ実証」なども計画している。

現在も進行中のプロジェクトは、2018年に総務大臣表彰を受けるなど、その成果が国や関係各方面から高く評価されている。

鉄道会社のデジタル活用事例

デジタルの力を活用しながら、多彩なリソースとデータを持つ鉄道会社ならではのソリューション事例の一つが、マドリード地下鉄だ。人工知能(AI)によって自己学習が可能な換気システムが導入されている。

マドリード市地下鉄の換気部門は、アクセンチュア アプライド・インテリジェンスの協力のもと、ハチの組織的な採餌行動という意外なものから着想を得て本システムを開発した。本システムには、当日の気温、駅の構造、列車の運行頻度、乗客数、電気料金に応じた最適な換気量を導き出すため、膨大なデータに基づいた最適化アルゴリズムが採用されている。このアルゴリズムでは、履歴データとシミュレーションデータの両方が使われており、72時間先までの外気温および地下の気温が考慮されている。

また、機械学習アルゴリズムにより、各駅の最適な換気量の予測精度を時間の経過とともに導き出すことが可能となっている。加えてシミュレーションエンジンとメンテナンスモジュールが搭載されているため、換気ファンの異常を検知することも可能。これにより、マドリード市地下鉄は、エネルギー消費の監視と管理、システム不具合の特定と対応、設備の予知保全を一貫して行うことが可能になったのだ。

高橋マネジング・ディレクターは、「コンサルティングやプランニングからソリューション開発・運用まで、アクセンチュアはデジタルを活かした独自の知見をもとに、今後の生き残り戦略を模索する鉄道会社の要望に応えていく」と強調している。

製造・流通本部の高橋克嘉マネジング・ディレクター

アクセンチュア:デジタル変革で加速する鉄道会社の「Wise Pivot」

広告:アクセンチュア
問い合わせ先:info.tokyo@accenture.com

記事:トラベルボイス企画部、REGION

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