トリップ・ドットコム(旧シートリップ)が、2020年第1四半期(2020年1~3月)の決算(非監査)を発表した。コロナ危機の深刻な影響で、売上は前年比43%減の47億3100元(約733億3000万円)、営業利益は前年同期の8億8500万元(約137億1800万円)から赤字に転落し、15億900万元(約233億9000万円)の損失。純損失は53億3800万元(約827億4000万円)となった。
パンデミックに伴う予約キャンセル払い戻し金がなど、回収不能金が12億元(約186億円)にのぼるなか、同四半期は諸経費の削減を急いだ。回収不能金を除いた場合、前年同期比での総経費は同31%減、これを含む経費合計では同14%減に縮小した。
取締役会長の梁建章氏は「世界の旅行産業にとって深刻なチャレンジとなったコロナ感染拡大だが、複数マーケットで回復傾向が見られる」とコメント。同社の本拠地、中国市場については「需要の底は2月だった。その後、着実に回復しており、ここ数週間では、特にハイエンド向けホテルへの需要が、他を上回るペースで戻っている。これは我々がコロナ危機後のニューノーマルに対応するべく、商品改革を工夫した成果」と話し、パンデミック収束後、旅行産業は再び記録更新の勢いを取り戻すとの考えを示した。
部門別の売上内訳では、宿泊予約が同62%減の12億元(約186億円)。交通チケットは同29%減の24億元(約372億円)。パッケージツアーは同50%減の5億2300万元(約81億円)。法人旅行は同47%減の1億2600元(約20億円)。
一方、同期の経費は、商品開発費が同33%減の17億元(約264億円)、営業マーケティング費は同38%減の14億元(約217億円)。これに対し、キャンセル客への払い戻しによる経費が拡大した総務管理費は同136%増の19億元(約295億円)。
今年第2四半期の見通しについては、売上が前年同期比67~77%減としている。
*円換算は1元15.5円でトラベルボイス編集部が算出。