メキシコ、人気リゾートで観光客の受入れ再開、ホテル収容規模は3割まで、ゆっくり慎重なスタートに【外電】

カリブ海に面したメキシコの人気リゾート、カンクンとリビエラ・マヤ地域では、移動規制が解かれてから初となる旅行客を迎えた。同地域では2カ月間以上に渡り、ほぼすべてのホテルが営業を停止していた。AP通信が報じている。

もっとも2020年6月8日に到着した旅行者は数十人ほど。滞在する41ホテルは、いずれも施設の一部に限定しての再オープンだ。こうした動きは、明るい兆しには違いないが、昨年実績で2300万人が訪れ、150億ドルの経済効果があった同地域にとって、回復と呼ぶには程遠い。

営業再開は、ゆっくりと慎重に進んでいる。当面の間、各ホテルに許可されている受け入れ客数は、混雑回避のため、最大収容規模の30%までに制限されている。今後の状況次第で、制限レベルは順次、緩和される予定で、一部ホテルからは、7月以降は同50%になるとの期待も出ている。パンデミック前は客室稼働率が85%あった、というホテルも珍しくない。

パレス・リゾート・チェーンの副社長、ギブラン・チャプール氏によると、同社が展開するリゾートホテルでは、観光客受け入れ再開初日、約300人が滞在し、このうち70%は米国からの旅行者だった。

その一つ、カンクンの南にあるリゾート、ムーンパレスでは、数百人の従業員らが列を作り、ロビーに現れたゲストを出迎え、マリアッチの楽団も登場した。

パレスリゾートでは、7月と11月分についてはすでに多くの予約が入っており、ロックダウンから解放され、外に出かけたがっている人は大勢いるとチャプール氏は話した。

カンクンを抱えるキンタナ・ロー州のカルロス・ホアキン知事は「経済を活性化する必要がある。だが人々の命を守るために、健康が何よりも優先される」と指摘する。

同州経済にとって、観光は全体の50%を占める産業だ。ホテルの供給客室数は10万7000室ほど。一方、同州における現在までのコロナウイルス感染者数は約2235人、死者は427人にのぼるが、感染拡大のピークからは脱したとしており、カンクンを含む一部地域で、営業再開が認められた。

チャプール氏は今後、ウイルス対策として、従来のやり方を変更する部分も出てくるという。例えばすべての荷物と靴は消毒することになり、リゾート内レストランでは、ビュッフェ形式の食事や紙のメニューを廃止する。

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