政府は、新型コロナウイルス感染症対策分科会を開催し、7月22日から開始する予定の「GoToトラベル」の事業を見直し、全国一斉に実施するのではなく、東京都を目的とする旅行と東京都に在住する人の都外への旅行を対象から外すことを決めた。
全国一斉のキャンペーン実施については、東京都の感染者が16日には過去最高の286人にのぼるなど増加傾向にあることから、地方からは懸念の声が上がっていた。
分科会終了後、記者会見に臨んだ尾身茂会長は、東京都を対象外とした理由について、感染者数が増加傾向にあることに加えて、疫学的にも遺伝子学的にも東京由来の感染者が地方で散見されていることを挙げた。
また、政府への提言として、「GoToトラベル」を新しい生活様式に基づく新しい旅のあり方として周知していくことを求めたほか、旅行者には接触確認アプリの利用を強く推奨するように求めた。このほか、東京都で感染が落ち着いてきた際には、東京都発着の「GoToトラベル」を実施しても差し支えないとした。
西村康稔経済再生担当大臣は、地方から東京駅や羽田空港を利用するケースや、すでに予約した旅行者のキャンセル料について、実際の運用は国土交通省で検討していくとして、明言は避けた。
GoToトラベルの実施にあたっては、14日、赤羽国交大臣がキャンペーンへの参画事業者の認定で宿泊客への検温などの感染対策を義務づける方針を明らかにしている。その内容や、今後のGoToトラベルの運用についての詳細は17日にも発表される予定だ。