エクスペディア・グループは、2020年第2四半期(2020年4月~6月)の営業実績を発表した。それによると、新型コロナウイルスの影響により、総予約額は前年同期の282億9200万ドル(約3兆21億円)から90%減の5億6600万ドル(約594億円)に大幅に減少。それに伴い、トリバゴを含めた営業収益も前年同期の31億5300万ドル(約3346億円)から82%減の5億6600万ドル(約601億円)に落ち込んだ。
損益ベースでも大幅な赤字を計上。営業損益は前年の2億6500万ドル(約281億円)の利益から8億4900万ドル(約901億円)の損失に、調整後EBITDAは前年の5億6800万ドル(約603億円)の利益から4億3600万ドル(約463億円)の損失に、調整後当期損益も前年の2億7600万ドル(約293億円)の利益から5億7700万ドル(約612億円)の損失へと大きく落ち込んだ。
同グループ副社長兼CEOのピーター・カーン氏は「総予約数は4月を底に、5月と6月は回復を見せているものの、世界的に新型コロナウイルスの感染拡大は依然として続いており、旅行規制も継続中のため、短期的な需要は見込めない。そのなかで、エクスペディア・グループとしては、長期的な戦略に立ち、組織の改編と簡素化を進めることで事業の効率化に注力していく」とコメントしている。
第2四半期の実績を具体的に見ると、宿泊では、予約泊数は前年同期比で81%減となったものの、一泊あたりの収益が15%増加したことから、収益は同78%減にとどまった。これは、単価が高い一棟貸し民泊Vrbo(バーボ/旧ホームアウェイ)の予約割合が拡大したことによるもの。
同グループは今年6月、ホームアウェイ・ブランドを廃止し、バケーションレンタルのポートフォリオをVrboに統合すると発表している。
一方、航空の収益は、キャンセル数が予想よりも多く発生し、キャンセルに対する返金も予想を超えたことから、前年同期比で85%の減少となった。
広告・メディアの収益は、トリバゴとエクスペディア・グループ・メディア・ソリューションズで大幅な減収となったことから、同91%減となった。
同グループでは、新型コロナウイルスで損害を受けているサプライヤー支援を強化。今年5月には、宿泊施設向けのマーケティング支援として2億5000万ドル(約265億円)、デスティネーションパートナー向けの支援として2500万ドル(約26億5000万円)を投資するプログラムを立ち上げている。現在のところ世界80カ国で展開しているところ。
※ドル円換算は1ドル106円でトラベルボイス編集部が算出