MICEの未来形とは? オンライン国際会議「ITBアジア」が体現する新たなイベントの姿を解説(PR)

2019年の「ITBアジア」会場の様子

2020年10月21~23日、アジア太平洋最大級の旅行ビジネス見本市、「ITBアジア2020」が開催される。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、延期や中止となるイベントが相次ぐが、ITBアジアではイベントに特化したプラットフォームを新たに開発。初の完全バーチャル開催に挑み、トラベル×テクノロジー分野のイベント「トラベル・テック・アジア2020」、MICE産業向け「MICE ショー・アジア2020」との併催として、すべての参加者に無料で展開する。

その視線の先にある未来型イベントの在り方とは? 主催者メッセ・ベルリン社から届いたレポートを紹介する。


アジア太平洋地区のMICE市場は、パンデミック前までは好調に推移しており、2025年には4411億ドル(約46兆円)規模に達する見込みだった。しかしウイルス感染拡大を阻止するために、経済活動が大幅に制限されるなか、イベントの多くは延期となり、開催時期の見通しもたたない。

MICE産業への打撃は深刻だが、ここにきて、ようやく明るい兆しも見え始めた。多くの国が、海外との経済交流を段階的に再開する方向へと舵を切り始め、イベント業界も、ビジネストラベラーが安心できる万全の体制を整えながら、一歩一歩、前へと進み始めた。

最近、特に関係者の注目を集めたのは、シンガポールが国内でのMICE再開の方針を打ち出したことだ。シンガポール政府観光局(STB)は2020年10月1日から、出席者が最大250人までのイベント開催について、申し込み受け付けをスタート。パンデミックに伴う様々な困難を乗り越え、安全にイベントを開催する体制が整ったというシンガポールの自信と意欲を、国内外に示す形となった。海外からの渡航制限の解除や、特定地域との段階的な往来の再開を進める動きが、アジア太平洋地域で広まっていることも一因だ。

もちろんコロナ危機が過ぎ去ったわけではない。新型コロナウイルスは、この先も完全に消えることはないとの考えから、今後のビジネス展開に向けて、積極的な対応策を導入しているところもある。ウイルスの今後を予測することは難しいが、これからの時代を直視し、十分に備えることが急務だ。

2019年の「MICE ショー・アジア」の様子

新しい時代のMICEの条件とは?

コロナ感染リスクが前提となる時代、最適なビジネスイベントとは、どのようにあるべきか?

私たちは、MICE産業が抜本的に変わることを覚悟するべきだろう。周知の通り、まず衛生対策やソーシャルディスタンスへの要求レベルは格段に高くなる。こうしたなか、タイの会議見本市公社(TCEB)では、MICE事業者向けの衛生ガイドラインを作成。シンガポールもビジネスイベントを安全に開催するためのリスクマネジメント策をまとめた。有効なワクチンが完成されて、パンデミック収束にめどが立つまで、こうした取り組みが不可欠になる。

第二のポイントは、バーチャル技術を活用したり、部分的に取り入れたイベント開催が、これからの主流になっていくことだ。バーチャル会議に必要な技術は、もう何年も前からあった。しかしパンデミック下で、物理的な空間を共有していなくても、人々がお互いに絆を深め、連帯感を生むことができるテクノロジーが威力を発揮したことで、脚光を浴びるようになった。

人の集まりをオンライン上で実現するプラットフォーム、例えばZoom、マイクロソフトTeams、グーグル・ドキュメントなどを使ったバーチャル会議が広く普及したおかげで、会場に出向くことができない人も参加できるようになった。旅行や移動への不安がまだ根強いなかで、従来のような会議や見本市を再開する上で、力強い武器となっている。

その好例となるのが、10月21~23日に開催される「ITBアジア2020」。今年度のトレードショーはバーチャルで開催するという決断を下した。これにより、毎年恒例となってきたイベントを中断することなく、継続できるようになった。会場となるのは、新たに開発されたプラットフォーム「ITBコミュニティ」だ。さらに同プラットフォームでは、約1年間に渡り、主要関係者を対象としたプログラムもバーチャルで展開する予定。アジア太平洋地域におけるパートナーシップ構築や、大切な取引先との関係強化に役立つ場とする考えだ。

最後に、未来のMICEでは、自動化できる業務でテクノロジーやデジタルツールの活用がさらに進み、スマート化に拍車がかかるだろう。技術開発に伴い、会議や見本市など、ビジネス関連イベントにも変革の波は押し寄せていたが、今回のパンデミックにより、デジタルツールを駆使したビジネスはもちろん、顔認証技術やコンタクトレス・サービス、接触した相手の追跡アプリなど、安全および衛生対策におけるテクノロジー導入が重視されるようになっている。

多くの産業と同様、MICEマーケットもコロナ危機と無関係ではいられない。だが、曲がり角の先に待ち受けている近未来について考え、先手を打つことはできるはずだ。迅速かつ柔軟に、パンデミックがもたらす変化に備えよう。

ITBアジア2020では、新開発のプラットフォーム「ITBコミュニティ」で参加の登録を受付中。今年のテーマやスピーカーの詳細については、ITBアジアの公式ウェブサイトへ。

※この記事は、ITBアジアを主催する「メッセ・ベルリン」から届いた英文記事を、同社との提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

著者:カトリーナ・レオン、メッセ・ベルリン(シンガポール)マネージングディレクター

※トラベルボイスは「ITBアジア2020」の公式メディアパートナーとなっています。

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