今年の国際観光客数は10億人減少、損失額は約113兆円に、2019年レベルへの回復は2年半から4年か

国連世界観光機関(UNWTO)は、世界の国際観光客数の最新データを発表した。それによると、2020年1月から10月の国際観光客数は前年同期と比較して9億人減少し、海外旅行市場での損失額は、リーマンショックで世界的な経済危機となった2009年の10倍にあたる約9350億ドル(約96兆円)のぼることが分かった。

2020年通年では、前年比で70%~75%減、約10億人減少し、損失額も1兆1000億ドル(約113兆円)に拡大。30年前と同レベルにまで落ち込むと見込んでいる。

地域別に見ると、アジア太平洋の落ち込みが最も大きく、同82%減。9月と10月は、中国など主要国が国境を閉じていたことから、ほぼ100%減となった。このほか、中東が同73%減、アフリカが同69%減、ヨーロッパと南北アメリカはそれぞれ同68%減。

一方で、国境閉鎖は徐々に解消されつつあり、UNWTOの調査によると、4月には82%の国が国境を閉鎖していたが、11月初旬になるとその割合は18%にまで減った。

ワクチンが開発され、接種が始まったことから、UNWTOでは今後徐々に消費者の海外旅行に対するマインドも上向くとしている。しかし、国連が示している2021年~2024年にかけてのシナリオでは、2021年後半に回復傾向が表れるものの、2019年レベルへの回復には今後2年半から4年かかるとしている。

※ドル円換算は1ドル103円でトラベルボイス編集部が算出

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