トリップアドバイザーは、2020年末に米国市場で旅行の企画や手配を行う “トリップ・デザイナー”と消費者のマッチングサービスを提供する新プラットフォーム「Reco(レコ:helloreco.com)」を試験運用を開始した。渡航先の現地事情などに詳しい旅の専門家300人以上がリクエストに対応し、予算や要望に合った旅行プランニングを請け負うもの。対象地域は世界100カ国以上。米観光産業ニュース「ファーカスワイヤ」が報じた。
レコを利用する際は、まずユーザー側がプラットフォーム上で、旅行計画の日程、渡航先、滞在泊数、旅行の目的(記念日や家族でバケーションなど)、同行者数、予算などの基本情報を入力する。レコはその内容に応じて、数名のトリップ・デザイナー候補者を通知する。その後、プラットフォーム経由のチャットで相手とのコミュニケーションを開始し、旅行プランの概要をチェック。依頼したい相手が決まったら基本料金199ドルを支払い、旅程の詳細の相談や予約・手配などがスタートする。
すべてのコミュニケーションは、レコを介して行われ、予約確認番号などの重要データも保管される。またトリップ・デザイナーは、旅行に出発した後も待機しており、旅程変更やキャンセル手続きなどもサポートする。
スタート時点では米国市場のみが対象で、アプリはiOSで利用可能。今後、アンドロイドのアプリにも対応予定だ。
トリップアドバイザーが2020年11~12月、米国内の消費者600人を対象に実施した意識調査によると、今回の取り組みについて、回答者の80%は「旅行がより快適になる」、また44%は「(パンデミックの影響で)今後、旅行アドバイザーに頼ることが今までよりも多くなりそうだ」と答えた。さらに同46%は、「次の旅行では、プロのアドバイザーをお願いしてプランニングする可能性が高い」としており、その理由として、渡航先を実際に訪れたことがある人に相談できる方が安心であることを挙げた。
トリップアドバイザーでは「こうした旅行サービスのパーソナライズは、パンデミック以前から求められていたことだが、この不透明な状況下で、理想的な旅行を実現するためには、ますます必要不可欠になっている」(マーケティング担当副社長兼コンシューマー担当ジェネラルマネジャー・ブラッド・ソロカ氏)との考え。安全かつ楽しい旅のために、現地に精通した旅のプロのサポートを求める動きが強まるとの見方を示している。