今年は静かな中国春節休暇か、政府が航空券の無料返金や追加賃金で旅行自粛呼びかけ、近場旅行が人気に

写真:AP通信

中国では、2021年2月11日~17日までの春節休暇に先立ち、1月28日から帰省ラッシュが始まったが、中国政府による自粛呼びかけが功を奏してか、北京などの主要都市の駅は例年と比べると静かだった。

AP通信によると北京駅では15ヶ所のセキュリティゲートのうち5ヶ所しか開いておらず、切符売り場での長い行列や中央広場での人混みは見られない。

昨年の春節では、旅行規制をしなかったことが新型コロナウイルスの蔓延につながったと批判されたが、中国当局は今年、航空券の無料返金や旅行を自粛する労働者に追加賃金を支払うなど、旅行を思いとどまらせる策をいろいろと打ち出している。

旅行をするためには、出発7日以内の検査で陰性であることが必要。多くの地方自治体が、旅行者に対して検疫や厳格な措置をとっている。

当局では、期間中に移動する中国人は前年比40%減となると見ているが、それでもその数は17億人にのぼる。中国旅行協会によると、一部の地域では旅行者は大幅に減少する見込みで、期間中に北京や成都を出発する旅行者は前年と比べて75%も減少すると見込む。

中国大手オンライン旅行「シートリップ(Ctrip)」の予約データによると、春節休暇期間の中国国内の旅行傾向ではホテル滞在の休暇が好まれているという。近場旅行でのいわゆるステイケーションといわれる滞在で、全ホテル予約のうち高級ホテル(4つ星ならびに5つ星)の割合は66.8%を占める。また、年代別では若年層の予約が増加。90年代生まれは全体の58.8%を占め、80年代が20.4%、2000年代が9%となった。

人気の都市トップ10は、上海、三亜、北京、広州、蘇州、杭州、南京、大理、深セン、重慶。シートリップでは、こうした情勢のなか約10万のホテルと協力して、いつもと違う春節期間の旅行で柔軟なキャンセルポリシーを提供して対応している。

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