米旅行業界メディア「Skift(スキフト)」によると、グーグルは、2021年8月1日で「Googleで予約(Reserve with Google)」でのツアーとアクティビティの取り扱いを中止する。「Googleで予約」では、バックエンドでOTAが予約処理をすることで、Googleのパートナーとなっているツアーやアクティビティ事業者は、ユーザーを別のサイトに誘導しなくても、予約を獲得することができるようになっている。
この戦略によって、グーグルは、収益力向上の目的のために、多様な商品を一貫性を持って販売していく考えのようだ。つまり、ホテルの比較検索サイト(メタサーチ)である「Google ホテル」が、広告と無料リンクとの組み合わせに移行したことと同じことをツアーやアクティビティでも実施する考えとみられる。
しかし、この戦略によって予約サービスは後退するが、旅行サービスでグーグルの力が落ちることにはつながらない。体験予約検索の「Things to Do(体験できること)」からは撤退しないからだ。
グーグルの広報担当によると、次のステップとして、グーグル検索でアトラクションチケット予約リンクの導入を試験的に始める予定だという。本格的にその仕組みが始まれば、消費者はグーグルでチケットなどを検索した後、各アトラクションのウェブサイトあるいはOTAに移動し、予約することになる。
「Googleで予約」よりも制約が少ないパートナーの予約リンクは、最初のページに無料で掲載されることになりそうだ。
一部の専門家は、グーグルがOTAになるための準備を加速させていると推測しているが、ブッキング・ドットコムやエクスペディアなどの大広告主と競合することになり、同社の広告ビジネスに大きなリスクを抱えることになるため、スキフトは、それはないと見ている。
グーグルはツアーオペレーターやパートナーに対して、「グーグルは今後も、『Things to Do』でパートナーとの協業を進めていく。一方で、アトラクションのチケットなどの検索機能が拡大していくと、『Googleで予約』でのトラフィックが減少する可能性があることも留意してほしい」とするコメントを出している。
※編集部注:この記事は、米・観光専門ニュースメディア「スキフト(skift)」から届いた英文記事を、同社との提携に基づいてトラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。
オリジナル記事:Google to End Tours and Activities Booking Next Month
著者:デニス・シャール(Dennis Schaal)、Skift