本田技研工業(ホンダ)は、走行データなどを活用したデータサービス事業「Hondaドライブデータサービス」の新サービスとして、同社の車のリアルタイム走行データを活用し、渋滞路・迂回路通過の所要時間を計算、道路上に表示する「旅行時間表示サービス」の有償提供を開始した。渋滞路・迂回路通過の所要時間を表示することで、ドライバーに迂回を促し、交通量を分散して渋滞を低減することが目的。
Hondaドライブデータサービスは、約370万台のHonda車から集まる走行データ・車両の挙動データなどを活用した、渋滞対策、都市計画、防災、交通事故防止などの社会課題解決を目指すデータサービス事業。これまでさまざまな企業や自治体にソリューションを提供してきた。
今回、提供を開始した旅行時間表示サービスは、全国各地で発生する「渋滞」という社会課題の解決を目指して開発したもので、パッケージ型サービスとすることで、より多くの企業や自治体が導入しやすくした。
ホンダは、栃木県日光市で、国道119号線の渋滞緩和を目的として、旅行時間表示サービスを用いた実証実験を実施。その結果、激しい渋滞が発生する春日町交差点から日光山内入り口までの最長所要時間が、2019年の171分に対し、2020年の対策実施時には同等の交通量ながら85分と半減。渋滞ルートの所要時間表示が長くなるほど迂回が促されて渋滞が低減し、シーズン中の最大渋滞長は2019年の約3.7kmに対し、2020年の対策実施時には約2.3kmまで短縮された。