中東で初めとなるドバイ万国博覧会(EXPO2020)が、新型コロナウイルスの影響により1年延期された後、2021年10月1日に開幕した。今後、6ヶ月にわたって、東洋と西洋とのユニークな融合を展示していく。
約483ヘクタールのEXPO会場はもともと砂漠だったところ。そこに新しいメトロの駅をつくり、数百万ドルをかけてパビリオンを建設。「サステナビリティ」や「オポチュニティ」などと名称が付けられた区画を整備した。
ドバイ万博には192カ国が参加。米国はスペースX社の「ファルコン9」ロケットを展示し、イタリアは高さ5.2メートルのミケランジェロの「ダビデ像」を3Dで再現するなど、各国とも自国の独自文化をアピールしている。
日本館は、会場だけでなく世界のどこからでも参加できるデジタル体験「バーチャル日本館」を展開。2つのサイトを開設し、“課題”や“アイデア”をメッセージとして共有できるオンライン・プラットフォーム「循環」を、2025年日本国際博覧会との共同プロジェクトとして構築した。また、レストランとしては、回転すし「スシロー」が「スシロードバイ万博店」としてムスリムの人々が安心して食事を楽しむことができるハラル食材を使用したメニュー約120点を提供する。
万博は1851年にロンドンで始まった。それ以降、各国の文化、発明、思想などに触れる機会となり、文明の発達とビジネスの拡大に大きく貢献してきた。1876年に米国で始めた開催された万博では、アレキサンダー・グラハム・ベルが発明した電話、タイプライター、ハインツのケチャップが登場した。
ドバイ万博は、世界が依然として新型コロナウイルスに苦しんでいるなかで開催。会場の入場では、PCR検査の陰性証明かワクチン接種証明の提示が求められる。実際の来場者がどれくらいになるかは未知数だ。
会場の中央には、世界最大の360度プロジェクション・スクリーンを備えたドームが設置されている。建設には計13.6kmの鉄骨が使われたという。この建造物が、1889年のパリ万博のエッフェル塔や1962年のシアトル万博のスペースニードルのように、その都市を象徴するものになるか。