消費者の旅行予約アプリに対する趣向が変化するなか、米国で「ホッパー(Hopper)」が、ブッキング・ドットコムなど大手OTAを抑えて、人気ナンバーワン・アプリに選ばれた。
ホッパーは、航空券やホテルをより安く購入する情報を提供。2019年11月に開始した「Price Freeze」機能により、ユーザーは旅行を決定する前にチケット価格を「凍結」することができる。
その人気は、クチコミで広がっているようだ。2021年7月、米国では約130万人がホッパーのモバイルアプリをダウンロードした。これにより、モントリオールを本拠とするこのスタートアップは、さらに幅広いユーザーとそのデータソースを手に入れることができた。
データ分析会社「センサー・タワー」の調査によると、ホッパーは、Google PlayとApp storeでも2021年前半で最も人気のある旅行予約アプリとなった。
ホッパーCEOのフレデリック・ラロンド氏は、スキフト・グルーバル・フォーラムで「ホッパーは、グーグル、フェイスブック、アリババのように、スーパーアプリになりたいと思っている」と話している。
2021年第2四半期、ホッパーとブッキング・ドットコムのアプリダウンロード数は合わせて、旅行予約アプリ全体の27%を占めた。ホッパーのマーケットシェアは、前年から8ポイント上昇。一方、ブッキング・ドットコムは3ポイント落とした。
2021年上半期のダウンロード数トップ10を見ると、エクスペディア・グループのアプリも多くランクインしている。
- ホッパー
- ブッキング・ドットコム(ブッキング・ホールディングス)
- エクスペディア(エクスペディア・グループ)
- プライスライン(ブッキング・ホールディングス)
- ホテルズ・ドットコム(エクスペディア・グループ)
- オービッツ(エクスペディア・グループ)
- トラベロシティ(エクスペディア・グループ)
- トリップアドバイザー
- ホットワイヤ(エクスペディア・グループ)
- カヤック(ブッキング・ホールディングス)
ホッパーが人気を高め始めたのはごく最近のこと。2020年はブッキング・ドットコムがマーケットをリードしていた。
ホッパーのクチコミに頼った戦略には未知のリスクが伴うのも事実だ。しかし、ブッキングとエクスペディアの2大OTAを守勢に置いた今、ホッパーは、ブランディングマーケティングで世界をリードするこの2社に対して、集中的なマーケティング攻撃を仕掛け始めている。
※編集部注:この記事は、米・観光専門ニュースメディア「スキフト(skift)」から届いた英文記事を、同社との提携に基づいてトラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。
オリジナル記事: Top Travel Booking Apps: Look Who’s Winning the U.S. Now
著者:シーン・オニール(Sean O’Neill)