沖縄振興開発金融公庫は、「Z世代」と「ミレニアル世代」をこれから旅行を牽引する世代と位置付け、その旅行意向についての調査結果を発表した。日本交通公社に委託して実施したもの。その結果、旅行牽引世代の車離れが進んでおり、それが沖縄旅行への意欲低下を招いているとした上で、今後の沖縄観光のあり方についての提言を行った。
沖縄旅行ではレンタカーが主な移動手段となっているが、「レンタカーの運転に抵抗はない」割合は、40歳以上では53.8%と半数を超えているのに対して、旅行牽引世代は37.7%。Z世代に至っては28.1%となり、年齢が下がるほど割合は低くなった。また、「運転免許を持っておらず、レンタカーを利用することはない」の割合はZ世代では32%にのぼり、若い世代での車離れの実態が鮮明となった。
観光目的での沖縄旅行について運転免許保有&レンタカー利用者の旅行意向を見ると、「レンタカーでの運転に抵抗がない」もしくは「同行者が運転してくれる」場合で意向が高く、「レンタカーへの抵抗がある」もしくは「免許を持っていない」場合に旅行意向は低い傾向となった。
また、沖縄旅行をしていない理由について、旅行牽引世代で最も多かった回答が「移動距離が長い」で48.2%。「交通費が高い」(44.6%)、「他に行きたい観光地がある」(14.8%)が続いた。
このほか、「沖縄県内の交通が不便」(13.9%)や「レンタカー利用に抵抗がある・運転が苦手」(4.8%)も上位となり、移動時間や交通費だけでなく県内での交通も、沖縄旅行をしていない理由のひとつとなっていることも分かった。
観光レジャー目的での訪沖経験がある場合、Z世代では「具体的に沖縄への観光旅行を計画している」が18.1%、「3年以内に行きたい」「いつか行きたい」も含めると69.8%が訪沖意向を示した。一方で、訪沖経験が修学旅行のみの場合、40歳以上で80%、ミレニアル世代で66.2%、Z世代で46.3%が「当分の間、沖縄へ旅行することはない」と回答。各世代で修学旅行のみの経験の場合に再訪意向が低い傾向にあるが、年齢が下がるにつれてその割合は低下した。
調査結果を踏まえて、沖縄振興開発金融公庫では、車に依存しない交通体系の構築、車を利用しない観光客向けのアクセス方法の発信などのほか、修学旅行からリピーターを育てるためには、「主体的な探求」や「より高密な交流」についての創意工夫や「体験学習」への費用上限の見直しや体験学習への補助金交付などが求められると提言した。