エクスペディアが新戦略を発表、事業者向け旅行販売のプラットフォーム立ち上げ、ユーザー向けには価格追跡など機能向上

米エクスペディア・グループは、ラスベガスで開催したパートナーイベント「EXPLORE」で、旅を再定義する3つの戦略を発表した。

ピーター・カーン副会長兼CEOは、新しい戦略について「この2年間、エクスペディアの可能性を再考した結果、変化が必要だと判断した。今後は、価格を中心とした商品を提供するのではなく、旅行者のニーズに合わせて、顧客の価値と期待に応えていく」と説明した。

まず、同社は、あらゆる事業規模のパートナーに対して、新たなデジタルプラットフォーム「Expedia Group Open World」を立ち上げる。支払い、不正行為対策、コミュニケーション、サービスなどを備えたeコマース・プラットフォームとして、パートナーのビジネス強化につなげるとともに、旅行市場への新規参入の壁を下げていく。

同社の膨大な人工知能と機械学習を活用して、ニーズに合わせた一貫性のあるソリューションを提供することで、旅行市場の活性化を進めていく。プラットフォームの成熟に合わせて、マーケター、起業家、開発者、データ分析者などさまざまなプレイヤーが参加することで、新しい旅行を創造する場所にしていきたい考え。

また、旅行者の体験を中心に可視化するマーケットプレイスも発表。旅行者からのレビュー、カスタマーサービスでのやり取りなどさまざまなデータを取り込むことで、宿泊施設の顧客体験を数値化。このスコアをもとに、検索の表示を変えていく。

具体的には、ホテルパートナーが「Expedia Group Partner Central」にログインすることで、顧客体験スコアを確認することが可能。スコアは、今後数か月以内に旅行者向けに表示され、年内には他の事業にも展開する予定という。

ユーザー向け旅行管理機能の強化、価格追跡

さらに、ユーザーに対して透明性と信頼性を高める機能を追加する。そのうち、「トリップボード」では、ユーザーが宿泊施設、アクティビティ、フライトなど旅行に関連するすべての素材を管理・予約できるようにするほか、旅行仲間とのコミュニケーションをさらに改善する。すでにバケーションレンタル予約「Vrbo(バーボ)」では導入されており、エクスペディアでは今夏に導入される予定。

「スマート・ショッピング」では、商品の比較を向上させる。宿泊施設の場合、部屋の種類、カテゴリー、アップグレードなどの比較が可能。フライトでは、接続便、座席選択、手荷物料金などが比較できる。すでに宿泊施設では導入されており、今後フライトでも導入される。

「価格追跡」も新たな機能を追加する。フライト検索の過去の傾向と将来の価格予測を示す。すでに米国では米国発のフライトで利用することが可能になっている。

このほか、エクスペディアは、新たなロイヤルティ・プログラム「One Key」を来年にも立ち上げると発表した。同社グループの4つのロイヤルティ・プログラムを統合。エクスペディア・グループのブランドすべてで、獲得ポイントを利用することができるようになる。

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