スタートアップと大企業のタッグで革新的な観光事業を創出、観光の課題解決型イノベーション創出拠点とは?(PR)

MUIC Kansai(MUIC)は、観光産業をテーマにした会員制イノベーション創出拠点だ。関西に関わるコンテンツやアセットを持つ大手企業とスタートアップを結び付けて課題解決型の観光事業を生み出し、会員企業・団体の成長と産業の発展、地域経済の活性化に貢献することを目指す。2021年2月の開所以降、企画したプロジェクトは40件超。このうち13件に予算が付き、4件の事業化を実現している。

なぜMUICは開所1年でこれほどの成果をあげることができたのか。事務局としてMUICを運営する一般社団法人関西イノベーションセンターのチームリーダー・桂寧志氏と、マネージャー・小菅信子氏に成果の背景と具体的な成功事例を聞いた。

MUICが革新性と堅実性をあわせもつ理由

MUICは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と三菱UFJ銀行が開設した、会員制オープンイノベーション施設。会員には大手企業やスタートアップ、DMOや大学などの幅広い企業・団体が名を連ねている。会員のスタートアップと大手企業・団体が結びつき、事業の枠組みを構築することで、観光産業を軸にしたオープンイノベーションの促進と地域経済への貢献を目指して設立された。

そのため、MUICは、企業同士の“マッチングの場”という枠を超え、具体的な実証や事業化を実現させる意識が強い。事業化までハンズオンでしっかり関与していくところがMUICの特徴でもある。扱う事業テーマを観光産業に絞った理由は、「様々なプレイヤーが連携・協働する業界であり、オープンイノベーションが最も機能する産業の一つである」(小菅氏)との考えによるものだ。もちろん、観光が国の成長産業に位置付けられていることや、2025年の大阪・関西万博も重要な要素である。

関西イノベーションセンターのマネージャー・小菅信子氏

では、MUICではどのようにスタートアップと大手企業・団体を結びつけ、イノベーションを生み出しているのか。

まずは、会員である大手企業・業界団体が抱える課題を抽出。スタートアップの事業企画・アイデアを活かし、関係者をマッチングして「課題解決プログラム」として事業化を検討する。この段階で、設立母体であるMUFGの強みが発揮される。MUICの事務局6名は三菱UFJ銀行の出向者で構成。そして、会員には観光事業者だけでなく、観光事業に直接的な関係がない企業も在籍している。つまり、プログラムは観光事業者だけでなく、多角的な視点で企画・検討されることになる。

「過去、観光業界内で検討され、実現が難しかったテーマも、技術革新が進み、社会のトレンドが変わった今なら、新たな切り口で捉えることができる。会員の方々とゼロベースで考え直し、既存の観光ビジネスとは少し離れたところから新しい発想を入れるとどうなるのか、そこから新しい気付きやアイデアの発掘を目指す活動をこの1年、繰り返してきた」(桂氏)という。

革新的な事業を創出するためには、スタートアップと会員企業・団体との繋ぎ方が重要になる。この大役を担うのは、事務局である関西イノベーションセンターだ。小菅氏も「具体的な実証や事業化に繋げるためには、我々がスタートアップ側のソリューションを深く理解し、企業・団体側の課題や決裁フローを把握したうえで引きあわせをしなければ、実証や事業化に進まない」と、自らの役割の重要性を自負している。

会員同士を取り持つ事務局には、銀行時代にMUFGとテック系企業とのオープンイノベーションを推進していた桂氏や、観光関連のファンドに出向し、ベンチャー投資を担当していた小菅氏をはじめ、大手企業担当や調査部門、海外赴任経験者など、様々なバックグランドを有するスタッフが選任されている。だからこそ「それぞれの経験・強みを生かしながら、いろんな人を巻き込んでいける」(小菅氏)と自信を示す。

MUICでは初年度、13件のプログラムが採択され、そのうち9件が実証実験の段階となり、4件が事業化に至っている。これについて桂氏は、「会員の皆さまが計40件にも及ぶプログラム案・企画に時間を割き、検討していただけたということ。この協力なしに、この成果はあり得ない」と話す。事業開発には、組織の力とともに担当者の熱意が欠かせない。共創への意欲の強い会員が多いことも、MUICが事業化を推進していく強みの1つといえるだろう。

関西イノベーションセンターのチームリーダー・桂寧志氏

それでは、MUICによる課題解決プログラムの事業化例を見てみよう。

事例1. 介護施設向け「リモート観光プラットフォーム」

課題解決プログラムの第1弾の採択事業は、介護施設向けの「リモート観光プラットフォーム」。MUIC開所に先行し、検討を開始したパイロットケースである。

MUICが開所した2021年2月は新型コロナ感染拡大の渦中にあたり、「コロナ禍にも対応した新しい観光スタイルを提供することを課題に掲げ、MUICの第一弾プログラムとして、まずはリモート観光をテーマに定めた」(小菅氏)。この頃は、オンラインツアーの提供に乗り出す旅行会社やDMOも多くみられたが、MUICの取り組みがユニークなのは、旅行商品としてのコンテンツはもちろんのこと、コロナ収束後にも顧客となりうるターゲット選定を重視したことだ。

協業先を検討するなか、東京トラベルパートナーズ社の介護施設向けオンラインツアー「旅介ちゃんねる」に着目。2016年1月創業の同社は、介護施設向けにリアルの旅行サービスを提供していたが、コロナ禍で受注が落ち込んだことをきっかけに、2021年2月、オンラインツアーを開始したところ、わずか1年で関東圏を中心に約1500施設もの導入実績を上げている。

小菅氏によると、東京トラベルパートナーズの営業活動は東京近郊の介護施設にFAXで案内を送るという簡易的なものであったが、非常に高い引きあいがあったという。「それだけ需要が高いということ。介護施設ではレクレーション提供が課題になっている施設も少なくない。日々の業務に並行してレクレーションを企画・運営するのは大変であり、そこをリモート観光がサポートする。旅行に行きたくても行けない入居者・介護施設の双方に喜ばれるサービス」(桂氏)と、MUICの趣旨に合致したプログラムであることを説明する。

本プログラムでは、「旅介ちゃんねる」を全国の介護・医療・福祉施設に販売。MUIC会員のJTB、いきいきライフ阪急阪神、ベイ・コミュニケーションズも参画し、販売やコンテンツ連携などをおこなう。今後は、関西圏を旅するコンテンツの制作と配信も予定している。

介護施設でのリモート観光の様子。介護施設では娯楽設備として、カラオケ機材が人気だが、今後は同程度の導入数を目指していくという

⇒ 観光を変革するスタートアップ企業のアイデア募集(MUICのサイトに遷移します)

事例2. 高野山エリアの「沿線観光地の高付加価値化」

2022年6月13日に公表した課題解決プログラム「沿線観光地の高付加価値化」では、MUIC会員企業である南海電鉄と連携し、和歌山県・高野山エリアの地域事業者とスタートアップとともに、新たな観光コンテンツ開発を進める。コロナ収束後の観光需要の回復時を睨み、観光消費の拡大と顧客層の拡大につながる新しい観光メニューを造成するプログラムだ。

高野山エリアは以前より、欧米からの訪日観光客の支持を獲得していた。しかしながら、国内においては日帰り観光が多く、滞在日数を伸ばすことや、消費拡大をすることが課題だった。この状況に、受け入れ基盤の高付加価値化を目指し、自治体が補助金制度を拡充。いくつかの宿坊では、一部客室のアップグレードなど対策を進めていた。南海電鉄としても旅行者のニーズの高まりに対応するため、新たなマーケットへの挑戦をすることを決めた。この機運を活かして、地域・会員企業の課題解決を図るべく、プログラム採択を決めた。

具体的には、南海電鉄の高付加価値な観光商品の戦略策定・企画をもとに、ハイエンド層向けに超高級旅行を手掛ける旅行系スタートアップであるエクスペリサスのマーケティング、商品企画・造成のノウハウを掛けあわせることで、オリジナリティあふれる複合的な観光体験を創出することができた。

このほど発表した「高野山での特別体験プラン」は、宿坊での宿泊体験と複数のオリジナル体験プログラムを掛けあわせたもの。プランの1つ「総本山金剛峯寺での演劇体験」では、拝観時間終了後の金剛峯寺を舞台に、寺や仏教芸術、弘法大師空海の逸話を演劇で説明。演者の問いかけを通して観客を登場人物の1人としてストーリーに引き込み、往時の高野山に入り込んだような感覚にさせる“没入型”の演劇体験を提供するという。

1回目の開催は7月17日に決定。小菅氏は「世界遺産の高野山総本山金剛峯寺の建物内で演劇体験ができることも、これまでにない。歴史的なユニークベニューを活用した、新たな観光体験として確立できる」と話す。これを皮切りに、まずは国内観光客をターゲットに事業化を進め、将来的には訪日観光客にもサービスの提供を広げる予定だ。

金剛峯寺を舞台に、鎌倉時代から南北朝時代に活躍した著名な絵師が登場するストーリー。参加者も演者の1人とし、舞台の世界に引き込む新感覚の演劇スタイルで上演する

⇒ 観光を変革するスタートアップ企業のアイデア募集(MUICのサイトに遷移します)

観光は地域の全員が当事者、具体的なビジョンを持った参画を歓迎

開所から1年。MUICの会員数は、大手企業の協賛会員とDMOや大学などの賛助会員はあわせて25社に拡大した。一般会員であるスタートアップとのイノベーション創出はますます進んでおり、今後、新しいプログラムを目にする機会が増えるだろう。

小菅氏は、「観光は地域の全員が当事者といっても過言ではない産業。それこそが観光産業の強み。プレイヤーが増えるほど新たな発想が生まれ、事業のボリュームが増す。業界横断的な新しい事業をどんどん発信したい」と意欲を見せる。

観光の課題は社会の課題と紐づいている。インバウンドやダイバーシティ、サステナブルなど、取り組むべきテーマは多い。両氏は「少し発想を転換すれば観光に生かせるのではないか。そういった具体的なビジョンを持つ企業の皆様に、今後もぜひ参画していただければ」と期待する。

新たな事業を実現したいスタートアップ企業は、MUICのウェブサイトからエントリーすることができる。

⇒ 観光を変革するスタートアップ企業のアイデア募集(MUICのサイトに遷移します) 

MUIC Kansaiは地下鉄淀屋橋駅のすぐの場所。1階にはワークスペースのほか、キッチンスペースもあり、コーヒーを飲みながら企画を語る会員の姿も見られる

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問い合わせ:

課題解決プログラムの事業化例:

  • 高野山エリアの「沿線観光地の高付加価値化」の特別体験プラン
  • 総本山金剛峯寺での演劇体験
    • 内容:拝観時間終了後の金剛峯寺を舞台に、寺内や仏教芸術、弘法大師空海の逸話を、役者が演技をしながら案内。役者は、鎌倉~南北朝時代に活躍した絵師「巨勢有康(こせのともやす)」らを演じ、観客は表具師(職人)見習いとして参加。大広間や別殿、蟠龍庭などで、観客がその時代に入り込んだ感覚になる没入型の演劇体験を提供する。
    • 日程: 7月17日(日)、8月20日(土)、9月17日(土)、10月9日(日)、11月5日(土)、11月19日(土) 
    • 体験時間:17時00分(開演)~18時30分(終演予定)
    • 料金:7700円(消費税等込)※拝観料込み
    • 募集人数:30名(最少催行人員13名)
    • 募集方法:エクスペリサスのウェブサイトから申し込み

記事:トラベルボイス企画部

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