米国各地のテーマパークで来場者数が急回復、2021年段階でコロナ前の3分の2に、中国は低迷

写真:AP通信

テーマ・エンターテイメント協会(TEA)と、総合エンジニアリング企業のAECOMが毎年公開しているレポート「TEA/AECOM 2021テーマ&ミュージアム・インデックス:世界の観光施設来場者レポート」が2022年10月中旬に発表された。それによると、米国各地のテーマパークの営業状況がパンデミック以前のレベルへと急回復していることが明らかに。一方、中国では回復が遅れており、同レポートはテーマパークの需要回復は政府による規制やワクチン普及率、消費者の安心感が大きく影響していると指摘している。

コロナ規制の期間の長さが来場者数に明暗

TEA/AECOMレポートでは例年、テーマパークの来場者数ランキングを発表しているが、2021年については、国や地域によって営業環境が大きく異なることから、同年の来場者数と2019年実績の増減率をまとめた。来場者数を公開していないパークについては、財務レポート、現地観光組織や投資銀行のレポート内容をもとに数字を算出したとしている。

同レポートによると、米国では、2021年のテーマパーク来場者数が、2019年実績の3分の2まで回復。コロナ禍で数か月間、閉園するところが多かった2020年比では134%増となった。

また同じ米国内でも都市による差が鮮明に。例えば、同じユニバーサル経営下でも、フロリダのパークの方がカリフォルニアより来場者数は多く、コロナ規制期間の長さが明暗を分けた。また事前予約や変動価格制を拡充するパークが増え、こうしたシステムが一般化したとの見方を示した。

米国各地の施設は、ほぼパンデミック以前の営業状況に戻っている。2019年に世界で最も来場者数が多かった施設、フロリダ州ウォルト・ディズニー・ワールドのマジックキングダムでは、2021年の来場者は1260万人で、2019年の約6割ほど。2020年比では82%増となった。

次に来場者が多かったカリフォルニア州アナハイムのディズニーランド・パークでは、2021年の来場者数はパンデミック前の45%相当にとどまるが、2020年比では133%増の850万人となった。

一方、中国各地のテーマパーク来場者数は、2021年でパンデミック前の半分ほどで、2020年比の伸び率でも25%増にとどまった。

「ここ数年、アジア市場の成長を牽引してきた中国だが、ロックダウンや隔離、渡航規制による打撃を受けた」と同レポートでは指摘している。

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