米カリフォルニア州から副知事ら来日、日本人旅行者の復活へプロモーション、HISや日本旅行業協会と連携

米国カリフォルニア州から、このほどエレニ・コウナラキス副知事(写真)とディー・ディー・マイヤーズ知事上級顧問兼知事室ビジネス経済開発ディレクターが率いる過去最大規模の代表団が来日し、日本から同州への旅行者誘致プロモーション施策が発表された。

コウナラキス副知事は、観光から農業、クリーンエネルギーまで幅広い分野から100人ほどが参加する今回の来日ミッションは「日本に対する我々のコミットメントの大きさを示すもの」と話し、コロナ禍から完全回復したカリフォルニアが、海外市場のなかでも特に日本とのビジネス強化を目指す方針であることを強調した。

また州経済政策や雇用問題を担当するマイヤーズ氏は、「カリフォルニア州の経済規模は、世界4位、そして3位は日本」、「我々は、共に気候変動問題に取り組み、サステナビリティ実現への道を世界に示す責任がある」と呼びかけ、こうした分野での連携強化にも意欲を示した。

ディー・ディー・マイヤーズ知事上級顧問兼知事室ビジネス経済開発ディレクター

カリフォルニア観光局(VCA)によると、日本から同州への旅行者数は、2019年は55万5000人以上、消費額は約14億ドルだったが、2023年はそれぞれ同年実績の6割程度まで回復を見込んでいる。消費額がパンデミック前のレベルを超えるのは2024年、旅行者数では2025年と予測している。

需要回復を後押しするために、VCAでは日本の旅行関係者とのパートナーシップ強化にも取り組む。3月14日には日本旅行業協会(JATA)との間で覚書を交わし、旅行会社や会議プランナーの育成、観光プロモーションなどで協力し、今後2年間で観光客数と消費額の回復に取り組むことで合意。

さらに翌15日には、エイチ・アイ・エス(HIS)との間で、同州への観光客誘致拡大に関する業務提携を締結。カリフォルニアのパートナー企業が、HISの商品開発やプロモーションを支援する一方、HIS側は同観光局が自然・地域資源を守るために定めた7か条「RESPECTトラベルコード」を守り、消費者への啓蒙活動にも取り組む。HIS渋谷本店では、2週間の店舗ジャック、関東104店舗では店頭プロモーションを実施した。

一般消費者向けのプロモーション活動では、渋谷スクランブル交差点周囲の12枚のビルボードで、VCAの動画広告「Am I Dreaming」を3月19日まで放映。そのほか、VCAの日本語サイトのコンテンツを刷新、SNSメディアでの活動も再開する。

VCAのキャロリン・ベテータ局長兼CEOは、日本市場向けに特に訴求したいこととして、ショッピング、ウェルネス、カルチャーの3つに言及。また食の魅力についても触れ、「ミシュランの星付きレストランは計605軒、星の数は計100個で、これはニューヨークより多い。ミシュランがサステナブルな施設に付与するグリーンスターは、全米で13個のうち11個がカリフォルニア州」とアピール。新しい観光アトラクションやホテルも増えており、「日本のみなさまに、カリフォルニアの魅力を再発見してほしい」と話した。

VCAのキャロリン・ベテータ局長兼CEO

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