ANAは、2023年4月3日に発生した国内線システム不具合について、状況を説明する記者会見を実施した。原因はハードウェアではなく、ソフトウェアに起因するもので、詳細な原因は現在も調査中とし、サイバー攻撃によるものではないことは確認しているという。
このシステム不具合では、4月3日に55便が欠航し約6700人に影響、また30分以上の遅延が153便発生し約2万人に影響が出た。4月4日については、システムは復旧したものの、前日の影響に伴って2便が遅延した。そのほかは通常通り運航している。
ANAでは、過去のシステム不具合を受けて、2015年に自社で国内旅客システムを構築。予約・販売・搭乗手続き・利用者への情報配信などつながる2つの系統(A系とB系)で運用している。通常、1つを稼働させ、もう一つはバックアップとして待機させている状況。今回の不具合は、A系の2つのデータベースが同時に停止したことで起こった。
ANAでは、3日の15時にA系のデータベス再起動を試みたものの、復旧しなかったことから、B系への切替を実施。予約・販売・搭乗手続きシステムは復旧し、16時50分には順次運航を再開するも羽田空港の混雑などにより22便の欠航を決めた。
さらに、手続き再開後も、羽田空港を中心にチェックインカウンター、保安検査場などでの混雑が解消されず、地上ハンドリングも滞留していたことから、各空港の運用時間も考慮し、18時5分以降33便の追加欠航を決めた。
利用者への情報提供を含め全てのシステムが利用可能になったのは4日の4時11分。9時52分にはA系データベースも復旧した。
ANAは、今後について、発生原因を特定するとともに、現在稼働しているB系データベースが停止した場合、速やかにA系に切り替え、運航への影響を最小化し、再発防止策についても取りまとめると説明した。
なお、ANAでは、2025年度から 2026年度にかけて、国内線旅客サービスシステムをすでに国際線で導入しているアマデウス社の「Altea」に統合することを決めている。