ターキッシュ・エアラインズは、三笠宮記念国際親善文化財団と文化遺産保護及び地域交流促進に関するパートナーシップ協定を結んだ。このバートナーシップに基づき、三笠宮財団は、1986年から開始されたシルクロードのクルシェヒル・カマンの発掘調査を継続する。
トルコ大使館で行われた調印式で、コルクット・ギュンゲン駐日トルコ大使は、「ターキッシュ・エアラインズは、観光、文化、教育、技術などの分野で日本とトルコの関係強化に貢献してきた。今回のパートナーシップを機に、トルコの価値を日本でも知ってもらい、訪問先として選ばれるようにしていきたい」と挨拶した。
また、ターキッシュ・エアラインズ取締役のファトゥマヌル・アルトゥン氏は、「来年は日本・トルコ外交関係樹立100周年の節目の年。三笠宮財団の存在がさらに両国の関係を強めている」と話すとともに、「日本は極東の重要市場」と位置付けた。同航空は現在、羽田・成田/イスタンブール線を運航し、今年12月12日から関西線を週4便で再開。トルコや中東のみならず、欧州/日本間の旅客輸送で存在感を高めている。
三笠宮記念財団は、2017年にトルコで設立された。現在は彬子女王殿下が総裁を務めている。アナトリア考古学研究所を中心に「カマン・カレホコック」「ヤスホコック」「ビュクルカレ」の3つの遺跡の文化遺産を保護をはじめ、研究所内の日本庭園「三笠宮記念公園」での地域交流、住民救育支援などを行っている。
今回の協定締結の対象となるカマン・カレホコックは、中央アナトリアにある遺跡。1986年からアナトリア考古学研究所所長で三笠宮記念財団理事長の大村幸弘氏を中心に発掘調査が行われている。これまでに1万点以上の遺物が出土しているという。
大村氏は「トルコの人たちの力を借りながら、38年間にわたって調査を行ってきた。短期間では終わらない調査。今後、さらに70年はかかるのではないか」と明かしたうえで、今回の協定の意義を強調した。
調印式後のレセプションには彬子女王殿下もご登壇。アナトリア考古学研究所が、研究者だけでなく、地元の人たちの理解によって運営され、地域の活性化にも寄与していることに触れたうえで、今後同研究所を訪れる観光客が増えることにも期待感を示された。