引退したバスに泊まる宿泊施設、西伊豆町に開業へ、案内所と路線バスを一体改修、1棟1台貸切で

小田急グループの東海自動車株式会社は2023年11月17日、静岡県賀茂郡西伊豆町に1日1組限定の宿泊施設「ばすてい」を開業する。築73年の宇久須案内所と路線バスとして活躍した中型バス車両を一体的にリノベーションし、“バスと過ごす”をコンセプトとした宿泊施設として展開する。

「宇久須案内所」は、かつて鉄道との直通乗車券を販売する「宇久須駅」として愛されてきたが、2022年3月31日に案内所としての役目を終えた。木彫りの看板を掲げた木造建物を活かして地域に新たな魅力を創出するため、引退した路線バスを並べた全国的にも珍しい宿泊施設へと生まれ変わる。

待合室だった場所は飲食が可能なダイニングルームとし、木のベンチや図書室のように本を自由に手に取れる本棚も復元した。案内所のカウンター、事務室だった場所は調理器具を備え付けたキッチンとなり、かつて倉庫等として使用されていた部屋は浴室、トイレ、洗面などの設備とベッドルームにリノベーションした。また、路線バスもレトロカラーに塗装。座席を向かい合わせたボックス席やベッドを設け、移動手段としてのバスとは異なる滞在を提供する。

宿泊は1棟1台貸切で1泊3万4000円から。地域の民宿や漁協の協力を得て海の幸を盛り込んだセットの食事も別途手配する。