世界のクルーズ旅行の予約が好調、米国の利用者数は2019年比6%増の3570万人と予測

米国のクルーズ会社や旅行代理店は、あらゆる層からパンデミック以前よりも多くのクルーズ予約を受けていることから、2024年はクルーズ業界にとって最高の年になると予想している。

クルーズ船の稼働率もパンデミック前に近づいていることから、今後数ヶ月以内に値上げを予定しているクルーズ会社もあるという。

クルーズ販売を手がけるクルーズ・コンペートのボブ・レビンスタインCEOは、「市場は全体的に非常に好調で、特に最高級の豪華クルーズの人気が高い」と明かす。また、トゥルイスト・セキュリティーズのアナリスト、パトリック・ショールズ氏は「クルーズ予約は2024年も記録的な水準に達するだろう」と予想している。

ショールズ氏によると、イスラエルによるハマスの攻撃が始まった10月7日の前、2024年のクルーズ旅行の予約は2020年の旅行のために2019年に予約された数より25%多いという。11月で見ると、予約数は2019年同月よりも約20%多い。

ロイヤル・カリビアン・グループのジェイソン・リバティCEOは10月の決算会見で、「2024年の需要は引き続き加速しており、予約件数は一貫して2019年の水準を大幅に上回っている」と話している。

国際クルーズライン協会(CLIA)によると、2024年には約3570万人がクルーズに参加すると予想。2023年の3150万人から増加し、2019年比でも6%多い数字だ。

一方、供給不足によって、予約が影響を受ける可能性もある。カーニバルのジョシュ・ワインスタインCEOは今年9月、2024年は前年よりも5%ほど生産能力が上がるが、在庫不足になる恐れがあると指摘した。

すでに小規模のクルーズ会社にはその影響が出始めている。オスロに本拠を置くプライベート豪華クルーズ会社シードリーム・ヨット・クラブは、すでに2026年の予約受付を始めている。

ノースカロライナ州ハンターズビルの旅行代理店マーベラス・マウス・トラベルズは、ディズニークルーズの販売を始めたが、2024年の予約はすでに2018年、2019年の予約を大幅に上回っているという。フロリダからの4~5泊の短いクルーズの利用が多いという。その理由として「リモートで仕事が可能な人が増えたたため、カリブ海の短い旅程クルーズなら、簡単に何度も乗船することができる」ことを挙げた。

ロイヤル・カリビアンは、今年第3四半期の参加者のうち3分の2がクルーズ初心者あるいは初めてロイヤル・カリビアンのクルーズに参加した旅行者だったという。加えて、同社のリピート率は2倍になった。

ブッキング・ドットコムもクルーズ人気に注目。今年11月にはクルーズ専用の部門を立ち上げた。

※本記事は、ロイター通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。

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